イタリア人は歯がボロボロ?悲惨な歯科治療の現状

オシャレ大国イタリア!GUCCI、PRADA, Giorgio Armani、Salvatore Ferragamo、miu miu、イタリアの有名ブランドをあげるだけで記事が埋まってしまいます。そんなオシャレな国で暮らす人の歯がボロボロなんて信じられますか?今日は、イタリアの裏側に迫ります。

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わずか30パーセント!?全ての歯がある人の割合

イタリアの新聞Corriere della seraの記事によると、40歳以上のイタリア人で全ての歯が揃っている人の割合はわずか30パーセント。この調査は2016年に40歳から75歳までの人800人を対象に行われたものです。年を重ねていくと、歯が抜けてしまうことはある程度は仕方のないことかも知れませんが、この数字には驚きです。

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8本以上は歯のない人が約500万人?

歯が欠けている人およそ1,900万人の約4分の1に当たる人においては8本以上歯がないそうです。40〜44歳では平均して4本、65〜75歳では平均して10本の歯が欠けていました。

歯が抜けても治療しない人ばかり?

言うまでもなく、歯の本数が減ってしまうことは様々な健康問題を引き起こす原因となります。咀嚼する力が衰えて消化器官に負担をかけてしまったり、認知症の発症との関係も指摘されていたりとその影響は大きいです。それにも関わらず、今回の調査対象者のうち、実に27パーセントは歯医者で「かけた歯に対する治療を行う意思がない」と回答しました。つまり、実に4分の1もの人が、歯が抜けてしまったにも関わらず、そのまま放置しているということです。

歯が少ない人ほど「歯医者嫌い」

この調査ではさらに「歯の本数が少ない人ほど、歯医者に行く回数が少ない」と言うことが統計的に明らかになっています。歯の本数が減ると、噛み合わせの問題だけでなく、前述のように様々な健康問題に影響を及ぼします。そのため、歯の本数が減っている人ほど、歯医者に行く必要性が高いのですが、実際は歯の数が少ない人ほど「歯医者嫌い」のようです。

これは逆説的に考えると、「歯医者に通っている人は歯の本数が多い」と言うことなのかも知れません。歯の本数が減ってしまう主な原因は、加齢による唾液の減少とそれに伴う虫歯や歯周病なので、歯医者さんで定期的な検診を受けることである程度予防することができます。「歯医者嫌い」と「歯の本数」の関係は統計的にも証明されたと言えます。

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原因は歯科治療の費用?

イタリアで「歯医者嫌い」な人が多い理由の一つには高額な歯科治療費が影響していると考えられます。以前に紹介したイギリスと同様に、イタリアも公立の病院と私立の病院の費用の差がかなりあります。公立は安く治療を受けられる代わりに数ヶ月待ちなんてこともあるそうです。そのため、「そんなに待てないよ」という患者さんは必然的に私立病院に行くしかありません。

しかし、公立は所得に応じて支払い額が変わるので収入の低い人でも気軽に治療を受けられますが、私立は基本的には料金一律。裕福な家庭はいいものの、そうでない人たちは歯医者に行くことをためらってしまうこともあるでしょう

イタリアで歯科治療を受ける場合は、「安いけど待たされる公立病院」か「早いけど高い私立病院」を選択するしかないため、「歯医者嫌い」な人が増えてしまうのも仕方がないかも知れません。

デンタルツーリズム1

解決策は「デンタル・ツーリズム?」

そんな状況の中で最近注目を浴びているのが、以前紹介した「デンタル・ツーリズム(リンク貼ってください)」。国外で歯科治療を受けるためのプロセスやその体験談がインターネット上では多数紹介されています。特にクロアチアなど近隣の東欧諸国が人気のようです。

一方、日本人の歯科事情は?

少し古いデータになりますが、平成23年度の厚生労働省の調査によると80歳以上で健康な歯が20本以上残っている人は4人に1人だったそうです。30歳までは平均28.4本だった歯は40歳で1本減り27.4本、50歳では25.1本と徐々に減少していきます。なだらかだった歯の本数の減少はここから加速して、60歳では21.9本、70歳では16.5本にまで減少します。80歳の平均はわずか10.3本、半分以上の歯がなくなってしまった状態です。

統計処理の仕方が異なるので単純な比較はできませんが、イタリアの40〜45歳は平均4本、65〜75歳で10本以上の歯がかけていたことを考えると、イタリアよりは健康的な歯を維持している割合は高そうです。

イタリア 歯科事情

8020運動も道半ば

イタリアよりはマシであるとはいっても、日本でも加齢による歯の現象傾向は顕著に見られます。「8020運動※」が提唱されてから30年がたち、平成も終わりを迎えようとしていますが、まだ道半ばです。

日本の場合、イタリアのように「高額な医療費のために歯医者に行きにくい」という人はあまり多くはないと考えられるため、歯磨きの仕方や定期的な検診の重要性を周知することで徐々に健康な歯を高齢者の方の数は増えて行くでしょう。

※平成元年に平成元年、厚生省(現・厚生労働省)と日本歯科医師会が提唱した「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動のこと。