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「今までのSEOは通用しなくなるのではないか」
「AIに引用されるためには何をすればよいのか」
AI検索が広がるにつれて、こうした不安を口にするマーケティング担当者やWEB担当者が増えてきました。実際、検索順位やアクセス数が伸びていても、問い合わせや商談にはつながらないという声も少なくありません。
BtoBの購買プロセスには、認知から比較検討、社内での稟議、問い合わせ、商談まで複数の段階があります。そのため、SEOへの対策が十分でも、それがすぐに受注へと直結するわけではありません。本記事では、AI時代のSEOを問い合わせや商談、そして売上へつなげるための7つの施策を、実務のチェックポイントとあわせて解説します。
【本記事の要点】
AI検索が広がっても、BtoB企業にとってSEOが売上に関わる施策であることは変わりません。ただし、その理由を押さえないまま取り組むと、検索順位やアクセス数を追うだけの施策に偏りかねません。ここでは、AI時代でもSEOが売上に重要な理由を3つ紹介します。
AI検索であっても、多くの場合AIの回答はWEB上の情報を参照しながら組み立てられます。そのため、検索エンジンがクロールし、内容を正しく認識できるWEBサイトであることが、AIに理解してもらう際の前提になります。従来型のSEOとAI検索への対応は、まったく別の施策として切り分けられるものではなく、顧客にとって分かりやすく役立つ情報を提供するという基本の部分は共通していると捉えるのが自然です。
なお、特定の対策を行えばAIの回答に必ず表示されるといった保証はどこにもありません。AI検索の仕組みは各サービスの更新によって変わり続けているため、断定的な情報に振り回されず、まずは自社サイトの情報を整理することから始めるのが現実的です。
BtoB事業の担当者は、問い合わせの前に自らWEB上で情報を集める傾向があります。課題の整理、解決方法の比較、費用感、導入事例といった情報を確認したうえで、問い合わせ先の候補を絞り込んでいくのが一般的な流れです。
AI検索によって情報収集の方法が変化しても、最終的に企業やサービスの詳細を確かめる先として、WEBサイトが果たす役割は変わりません。AI回答で社名やサービス名を知ってもらったあと、指名検索で改めて調べられる場面も想定されます。AIへの露出だけを目指すのではなく、AI回答を見た後にサイトを訪れたユーザーが必要な情報を確認できるよう、自社サイト側の準備もあわせて整えておく必要があります。
SEOが売上に重要になるのは、順位やアクセス数を伸ばすこと自体ではなく、それを問い合わせや商談につなげる設計ができるからです。検索順位や流入数が伸びることは、もちろん歓迎すべき変化です。ただし、それだけで事業上の成果につながっているとは限りません。記事への流入があっても、サービスページや導入事例へ読者が移動しなければ、問い合わせにはつながりにくいというのが実情です。
売上から遠いテーマの記事ばかりを増やしても、閲覧数が伸びる一方で商談にはつながらないケースが見られます。SEOを単なる認知施策としてではなく、問い合わせや商談を生み出す仕組みの一部として設計する視点が求められます。ここからは、その仕組みを具体的にどう組み立てるかを、7つの施策から見ていきます。
AI検索の登場によって、「SEOはもう役に立たないのではないか」と感じる担当者が増えています。ですが結論から言えば、AI時代であってもSEOへ取り組む意義は失われていません。そのためには、7つの施策が必要だと当編集部は考えます。なお、7つの施策は、それぞれが独立した取り組みではなく、次のような一連の流れとしてつながっています。
検索・AIで認知される
↓
自社WEBサイトで理解される
↓
比較候補に入る
↓
問い合わせにつながる
↓
商談・売上につながる
この流れのどこか1ヶ所だけを強化しても、成果には結びつきにくいものです。全体を見渡しながら、順番に確認していきましょう。7つの施策を解説します。
キーワードを検索ボリュームだけで選ぶと、アクセスは増えても問い合わせにつながらない記事ばかりが増えてしまいがちです。たとえば「○○とは」のように検索数の多い言葉で上位表示できても、読者が用語の意味を知りたいだけの段階にとどまっていれば、サービスの相談にはなかなか進みません。まずは自社の顧客が商談前にどのような課題を抱えているかを洗い出すところから始めましょう。営業担当者へ、顧客からよく聞かれる質問をヒアリングしたり、過去の問い合わせ内容や商談記録を確認したりすることで、記事テーマの候補が見えてきます。
キーワードを選ぶ際は、次の2点を判断基準にします。
そのため、狙うべきなのは、自社が解決できる課題について、読者が比較や検討を始めたときに検索する言葉です。段階別に例を挙げると、次のとおりです。
商談に近いのは比較検討段階のキーワードです。情報収集段階のキーワードは、そこへ読者を案内する入口として組み合わせます。
| 観点 | 検索数が多いテーマ | 商談に近いテーマ |
|---|---|---|
| 流入のしやすさ | 獲得しやすい | 少ない場合がある |
| 検索意図 | 広く、情報収集寄り | 具体的で条件が明確 |
| 商談への近さ | すぐには商談につながりにくい | 比較検討や問い合わせに直結しやすい |
もちろん、両者はどちらか一方が優れているわけではなく、両方の役割を理解したうえで、記事全体のバランスを設計することが実務上のポイントになります。
BtoBでは、1本の記事だけを読んで問い合わせに至るケースはそれほど多くありません。読者の検討段階に応じて、必要な情報を段階的に用意しておく発想が求められます。
購買プロセスごとに効果を発揮しやすいコンテンツ例を以下の表で整理します。
| 検討段階 | 求められる情報の例 |
|---|---|
| 課題認識 | 課題解説記事、業界動向、チェックリスト |
| 情報収集 | 用語解説、解決方法の全体像 |
| 解決策の比較 | 内製と外注の違い、選定ポイント、失敗例 |
| サービス比較 | サービスページ、導入事例、費用、FAQ |
| 社内検討 | 導入効果、スケジュール、体制、セキュリティ |
大切なのは、「読者=担当者本人」だけでなく、その上司や決裁者、実際にサービスを利用する部門が求める情報もあわせて意識することです。やみくもに記事数を単に増やすのではなく、読者の後ろにいる決裁者を意識したコンテンツを増やし、購買プロセス上の情報不足を埋めるという視点が役立ちます。
どれだけ多くの読者を集めても、記事からサービスページへ移動できなければ、問い合わせにはつながりにくくなります。記事の内容と関連するサービスページへの内部リンクを設置し、記事の途中と記事末で、読者の状態に合ったCTAを用意しましょう。
また、すべての記事に同じCTAを置くのではなく、検索意図に合わせて内容を変える工夫も必要です。情報収集段階の読者には関連記事やチェックリスト、資料ダウンロードなどが適していますし、比較検討段階の読者には導入事例やサービス詳細、費用の考え方、相談窓口の案内が適しています。
重要なのは、売り込みを急ぐのではなく、読者が次に必要としている情報を提示する姿勢で自社サイトを設計することです。これをチェックするには、次の項目を自問してみてください。
1つでもYESと答えられない項目がある場合は、今一度サイト設計を見直してみると良いでしょう。
AIや検索結果を通じて自社を知ってもらえても、サービスページの内容が薄ければ問い合わせにはつながりません。サービスページには、次のような情報を過不足なく盛り込む必要があります。
特に、顧客が得られるメリットを、「高品質」「丁寧に対応」「豊富な実績」といった抽象的な表現だけで済ませてしまうと、比較検討中の読者には判断材料が伝わりません。具体的な支援内容や対象、実績、対応範囲を明示することで、AIや検索エンジンだけでなく、実際に比較検討を進めている顧客にとっても理解しやすいページになります。この視点こそが、サービスページ改善の本質です。
AIによって一般的な説明は誰でも作りやすくなりました。どの企業のサイトにも書ける内容だけでは、比較検討中の読者に他社との違いが伝わりません。そのため、自社の経験や顧客事例、独自の調査といった、その企業にしか書けない情報がこれまで以上に意味を持ちます。具体的には、次のような情報です。
これらを記事へ反映していくことが、他社との差別化につながります。
導入事例は、単なる実績紹介にとどめず、顧客が抱えていた課題、導入前に検討した選択肢、自社サービスが選ばれた理由、実施内容、導入後の変化、今後の取り組みまで示すと説得力が増します。
具体的な数字を示せない場合でも、業務上の変化や担当者の評価を具体的に描写することで、読者の理解を助けられます。あわせて、執筆者や監修者、運営会社の情報を明確にしておくことも欠かせません。
こうして蓄積した事例や一次情報は、SEO、AI検索での言及、営業活動という3つの場面で活用できる資産になります。
SEO記事はマーケティング部門だけの資産ではありません。商談前後の説明や見込み顧客の育成、社内共有の場面でも活用できます。営業担当者が同じ質問へ何度も答えている場合(たとえば、導入までのスケジュール、費用の目安、セキュリティ面の確認事項、他社との違いなど)、それは記事化の余地があるというサインです。
具体的には、次のような活用方法も考えられます。
さらに、営業担当者が現場で得た知見を記事へ反映していくことで、コンテンツの質は高まっていきます。マーケティングと営業が分断されたままでは、こうした好循環は生まれにくくなります。
検索されている顧客課題、問い合わせにつながった記事、商談でよく聞かれる質問、失注理由、比較される競合や代替手段、追加すべきコンテンツといった項目を、営業部門とマーケティング部門の間で定期的に共有する仕組みを持っておきましょう。
SEOの成果は、検索順位やアクセス数だけで判断すべきではありません。認知、興味、比較、行動、成果という段階に分けて評価することで、どこに課題があるかが見えやすくなるでしょう。
| 段階 | 指標の例 |
|---|---|
| 認知 | 検索表示回数、検索順位、AI回答での言及、指名検索数 |
| 興味 | 記事閲覧数、サービスページへの遷移、再訪問 |
| 比較 | 費用ページの閲覧、FAQの閲覧、資料ダウンロード |
| 行動 | 問い合わせ、相談、資料請求、セミナー申込 |
| 成果 | 商談化率、受注率、受注金額、売上貢献 |
ただし、SEOと違って、AI検索からの流入や売上貢献は、正確に測定することが難しい場合もあります。そのため、完全な計測を目指すのではなく、複数の情報を組み合わせて判断する姿勢が現実的です。AI回答での言及は、顧客が検索しそうな質問を定期的にAIに入力して自社が取り上げられているかを確認する、問い合わせ時に知ったきっかけを聞く、といった方法で補います。
こうしたデータや情報を、SEOのアクセス解析分析だけに頼らず、営業側の情報とあわせて評価する体制を整えていきましょう。
7つの施策を進めるうえで、あわせて押さえておきたい失敗のパターンがあります。本章では5つのポイントを解説します。
AEO(検索やAIの回答欄で、自社の情報が答えとして取り上げられること)、GEO(生成AIの回答の中で、自社が言及・引用されること)、LLMO(大規模言語モデルに、自社を正しく認識・参照してもらうこと)といった新しい用語が次々と登場しますが、いずれも意味する範囲は重なっており、定義も論者によって異なります。
そのため、用語の違いを理解すること自体が目的になってしまっては本末転倒です。特殊な対策だけで表示が保証されるものではなく、従来からのSEOやコンテンツの品質、会社としての信頼性が基盤となることは変わりません。
社内で方針を決めるときも、AEO・GEO・LLMOがそれぞれ何を指すかを確認する程度にとどめ、用語の定義の違いを議論することに時間をかけすぎないようにしましょう。優先すべきなのは、顧客の課題に答える記事や、サービスページ・導入事例の充実です。
AIは企画や調査、構成、校正の補助として活用できる有用なツールです。一方で、AIが生成する文章は、内容が一般論に偏りやすくなります。さらに、事実誤認や古い情報、他記事との類似、専門性の不足には注意が必要です。
AIに記事を作らせる場合でも、自社の経験や顧客の声、一次情報、専門家による確認を加えることで、その品質と価値は大きく変わります。評価すべきは記事の本数ではなく、顧客の意思決定を助ける情報になっているかどうかです。
SEO記事によって流入が増えても、受け皿となるページが弱ければ問い合わせは増えにくいままです。サービスページ、導入事例、FAQ、会社情報、CTAは、コンテンツ施策と切り離さずに同時に確認しましょう。売上に近いページから優先的に改善していく順序が現実的です。
マーケティング部門が流入数だけを追いかけ、営業部門が商談以降だけを見ている状態では、改善のポイントが見えにくくなります。どの記事が問い合わせや商談につながったかを共有し、顧客の質問や失注理由、検討条件を記事へ反映する仕組みを持つことで、SEOやAI検索対策は部門横断の顧客獲得施策として機能し始めます。
AIに引用されることやSEOの検索結果で上位に表示されることは、あくまで通過点です。自社を正しく理解してもらい、比較候補に入り、問い合わせへとつなげることが本来のゴールになります。表示回数だけでなく、指名検索や自社サイトでの行動、商談内容、受注状況まで確認する習慣を持ちましょう。AIへの表示を保証するような表現や、短期的な順位変動だけで施策の良し悪しを判断する姿勢には注意が必要です。
AI時代であっても、SEOはBtoB企業が顧客を獲得するための手段として活用できます。ただし、AIへの露出や検索順位だけをゴールにしてしまうと、問い合わせや商談にはつながりにくくなるでしょう。7つの施策を、あらためて振り返ります。
この7つの施策は、それぞれを独立させるのではなく、一続きの仕組みとして捉えることで成果につながります。中小企業の場合は、すべてを同時に進めようとせず、売上に近いページから順番に手をつけていくのが現実的な進め方でしょう。
検索順位やアクセス数は伸びているのに問い合わせにつながらない、AI検索を含めたSEOの方針をどう整理すればよいか判断しづらい、記事やサービスページ、導入事例、CTAをまとめて見直したいといった状況にある場合は、自社だけで優先順位を判断するのが難しく感じられることもあるでしょう。
株式会社MUでは、検索順位やアクセス数の改善だけでなく、サービスページや導入事例、CTA、問い合わせ導線までを含めたSEOとWEB集客の改善を支援しています。まずは現在の課題やWEBサイトの状況を整理するところからでも構いませんので、どうぞお気軽にご相談ください。
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