【馬の歯を見るのは失礼!?】~実は知らない?動物の歯のトリビア~

馬の歯

~実は知らない?動物の歯のトリビア~

当ブログで紹介し、ご好評いただいている「歯に関するトリビアシリーズ」今回は動物の歯に関するトリビアです。歯科医さんは人間の歯の専門家、動物の歯についてはどのくらいご存知ですか?

ペット市場はなんと1.5兆円規模!犬や猫だけでなく、家庭で飼えるペットの種類も多様化しており、その勢いは衰えるところを知りません。ところが、動物たちの口の中をじっくり見る機会はほとんどありませんよね。今日は身の回りにいる動物たちの歯についてご紹介します。

犬の歯

犬の歯の数

「Q1. 【愛犬家なら常識?】犬の歯の数は?」
まずは初級編!「ペット」といえばまず頭に浮かんで来る動物は犬ですよね。そんな犬の歯の数をご存知ですか?

答えは42本。愛犬の歯磨きを毎日行なっている人なら知っていたかもしれませんね。犬の健康を保つためには一日一回の歯磨きが推奨されています。ですが、人間より歯の数が多く、嫌がるワンちゃんも多いため、なかなか浸透していない様子。ただ、歯磨きを怠ると歯周病やその他の深刻な病気になってしまう可能性があるため、しっかりと行うことが重要なそうです。
ちなみに昨年犬を抜いてペット人気1位(飼育数)に輝いた猫の歯は30本!歯周病対策に歯磨きをしてあげることが推奨されています。

  • 哺乳類で一番歯の数が多いのはイルカで上下合わせて252本もの歯があるそうです。一方で、歯が多いようなイメージのあるクジラですがそんなことはありません。種類によって変わりますが、ほとんどの種類のクジラは上顎の歯がないか、あっても埋没した状態です。そもそも歯が一本もない種類も多いため、歯のある/なしでハクジラとヒゲクジラに分類わけがされています。

ウサギの歯

うさぎの歯は伸び続けるか?

「Q2. うさぎの歯は伸び続ける。◯か×か?」
正解は◯です。これもうさぎを飼ったことがある人なら常識。うさぎの歯はその特徴的な前歯だけでなく、奥歯も成長し続けます。これはリスやネズミなどの前歯と同じ構造です。野生のうさぎは硬い木の皮や草などを食べて歯が磨耗するため、このような構造になっています。特に、前歯は年間約10~12cmと人間の毛髪と同じくらいの長さで成長します。

  • 野生のうさぎの場合は歯の成長速度と歯が磨耗してすり減っていく速度がほとんど同じです。一方で、飼育されているうさぎの場合は、適切なエサを与えないと歯が削れず、伸びすぎてしまったり、逆に削れすぎてしまったりするケースがあります。どちらもうさぎの健康に大きな影響を及ぼします。犬の歯周病もエサが変わったことによる現代病とも言われており、ペットを飼育する場合は「歯のケア」についても考える必要がありそうです。

蛇の歯

蛇の歯の数

「Q3. 蛇の歯の数は?」

さて、いきなり上級編。最近ペットとして人気急上昇中の蛇の歯の数は何本でしょうか?
答えはなんと「エサ次第」なんです。京都大学の研究グループが発表した最新の研究によると、蛇の歯の数や歯並びはエサの餌によって変化するそうです。

「歯の数は、左右だいたい同じである」というのは脊椎動物に当てはまる普遍的は法則です。その例外がこの研究対象となった蛇(セダカヘビ)です。主に右巻きのカタツムリばかりを食べているセダカヘビは歯並びが悪く、左右で歯の本数が非対称になっています。一方、今回発見されたナメクジを主食とする近縁種は歯並びがよく、歯の本数も左右でだいたい同じなんだとか。

 エサと歯並びに因果関係があるのか?についてはまだ仮説の段階ですが、将来的には「蛇の歯並びをよくするエサ」なんてものが発売される日が来るかもしれませんね。

馬の歯2

馬の歯は見てはいけない?

「Q4. 【超難問】馬の歯を見るのは失礼に当たります。なぜでしょう?」
“Don’t look a gift horse in the mouth”ということわざを聞いたことはありますか?直訳すると「送られた馬の口の中を覗くな!」。これは「贈り物の価値や値段を調べたり、詮索したりしてはいけない」という意味です。

このことわざは馬の歯の特徴を大きく関係しています。馬の歯は2 ~ 3 mm成長します。その一方で表面は徐々に磨耗していくため、歯の表面の断面や歯の形を見ただけでその馬の年齢がすぐにわかってしまうのです。そのため、送られた馬の歯を見る行為は「馬の価値を調べている」と思われてしまうので失礼に当たります。

 

  • ちなみに馬の歯の本数は牡馬が42本、牝馬が38本でオスとメスで本数が異なります。ギリシャ時代の哲学者アリストテレスは、馬の歯の数を根拠に「男性の方が女性より歯の数が多い」と書き残しています。なぜ身近にいる女性に歯を見せてもらわなかったのかは永遠の謎です。

まとめ

いかがでしたか?身近にいる動物たちですが、彼らの口の中についてはあまり知らない方が多かったのではないでしょうか?

 大事なペットの歯の健康は気になりますよね。ところが、現在のところ動物の歯の専門家(獣医歯科)の数はとても少ないのが現状です。歯に対する知識や技術の面でも人間の歯に比べるとまだまだ発展段階であると言えます。
獣医師免許は農林水産省,歯科医師免許は厚生労働省の管轄ですので,獣医師が人の歯科治療を行えないのと同様に,歯科医師が動物の歯科診療を行うことはできません。そのため、歯科医の知識や経験を活かせる場所は残念ながら限られています。しかし、今後よりペットの歯科衛生に関する関心が高まれば、歯科医師と獣医師の横の繋がりが構築されていくかもしれませんね。