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企業が何らかのアクションを起こそうと思った時、そこには様々な障害が立ちはだかります。そんな障害のうち、最たるものは予算確保の問題です。
こうした状況の時、その現状を打開するためには、政府や自治体の助成金を利用するのがおすすめです。
この記事では、企業が利用できる助成金のうち、比較的受給しやすい助成金7選をご紹介します。
合わせて、助成金と補助金の違いや、助成金を巡る日本の情勢などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
助成金と補助金の違い
補助金とは、経済産業省や自治体などが、経営革新や技術革新、生産性向上、起業、IT化、多角化など、目標とする政策目的達成のために税金を使って中小企業を支援する制度です。
助成金とは主に厚生労働省が管轄している雇用関係や労働条件等関係の助成制度です。助成金の支給申請の代理は社会保険労務士のみが行える独占業務となっており、要件を満たすことで確実に助成を受けることができるため計画的な利用が重要です。
企業が受け取れる助成金7選
1.キャリアアップ助成金
正社員化コース
キャリアアップ助成金正社員化コースは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用労働者の企業内のキャリアアップを促進するため、正社員化の取り組みを実施した事業主を助成することを目的としています。
- 最大120万円
- 条件:助成金額80万円(1年度1事業所20名まで)
- 加算額多様な正社員制度を新たに規定し当該雇用区分に転換等した場合 40万円(1事業所1回)
賃金規定等改定コース
賃金規定等改定コースは、有期雇用労働者等の賃金規定等を3%以上増額改定し、昇給させた事業主に対して助成するもので有期雇用労働者等の処遇改善を通じたキャリアアップを目的としています。
- 最大670万円
- 条件:助成金額 賃金引上率 3%以上5%未満 50,000円 5%以上 65,000円
- 1年度1事業所あたり100人まで申請可能
- 加算額 職務評価の手法の活用により賃金規定等を増額改定した場合 20万円
2.人材開発支援助成金(人材育成支援コース)
人材開発支援助成金は、労働者の職業生活設計の全期間を通じて段階的かつ体系的な職業能力開発を効果的に促進するため、事業主等が雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。
- 最大1,000万円(限度額)
- 条件:正社員に10時間以上のOFF-JTを行う
- 助成金額 賃金助成1人1時間あたり760円 経費助成45%
- 限度額(1人あたり) 経費助成200時間以上50万円 賃金助成1,200時間
- 受講回数は1労働者につき1年度で3回まで
3.特定求職者雇用開発助成金
特定求職者雇用開発助成金とは、厚生労働省の政策のうち、雇用に関するものであり、事業主のための雇用関係助成金とされるもののうち、対象労働者をハローワーク等の紹介により、継続雇用労働者として雇い入れる事業主に対して助成する制度です。
- 最大60万円
- 条件:特定就職困難者コース
- 60歳以上の高年齢者をハローワークなどの紹介により雇い入れる 60万円
4.働き方改革推進支援助成金
働き方改革推進支援助成金とは設備投資をし、生産性を向上させ、労働時間の削減や年次有給休暇の促進・勤務間インターバル制度の導入に向けた環境整備に 取り組む企業を支援するための助成金です。
- 最大730万円
- 条件:労働時間短縮・年休促進支援コース
- 助成金上限額 36協定の時間外労働時間数を月80時間超→60時間以下に設定 200万円
- 年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入する 25万円
- 時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入し特別休暇の規定を新たに導入する 25万円
- 加算額
- 賃金の引上げ3%以上または5%引上げ 上限480万円(従業員30以下の事業主の場合)
5.業務改善助成金
業務改善助成金は、生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額(各コースに定める金額)以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成する制度です。
- 最大600万円
- 条件:最低賃金の引上げ額90円以上で引き上げる従業員数10人以上 600万円(上限額)
6.両立支援等助成金
育児休業等支援コース
両立支援等助成金(育児休業等支援コース)は、「育児復帰支援プラン」に沿って労働者に育児休業を取得・職場復帰させた、中小企業の事業主が使用できる制度です。
- 最大60万円
- 条件:育児取得時30万円 職場復帰時30万円
出生時両立支援コース
両立支援等助成金(出生時両立支援コース)は「育児休業を取得しやすい雇用環境や業務体制の整備」を行う中小事業主のもとで、男性労働者が、子の出生後8週間以内に開始する所定日数以上の育児休業(又は出生時育児休業)を取得した場合に助成する制度です。
- 最大40万円
- 条件:1人目20万円 2人目3人目10万円
育休中等業務代替支援コース
両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)は、仕事と育児を両立しやすい職場環境整備に取り組む中小事業主を支援する制度です。
2024年1月に、育児休業や育児のための短時間勤務制度を利用する労働者が生じた際の業務を代替するための体制整備として新設された制度です。
- 最大67.5万円
- 条件:育休取得者の代替要員を新規雇用または派遣受入で確保
- 代替期間 6ヶ月以上 67.5万円
介護離職防止支援コース
仕事と介護の両立支援に資する職場環境整備に取り組むとともに、介護支援プランの作成及び同プランに基づく措置を実施し、介護休業の円滑な取得及び職場復帰の取組、又は仕事と介護の両立に資する制度の利用を円滑にするための取組を行った中小企業事業主に対し助成する制度です。
- 最大80万円
- 条件:休業取得時30万円 職場復帰時30万円
- 加算 業務代替支援加算 新規雇用 20万円
7.65歳超雇用推進助成金
65歳超雇用推進助成金は、生涯現役社会の実現に向けて、65歳以上への定年引上げ等や高年齢者の雇用管理制度の整備等、高年齢の有期契約労働者を無期雇用労働者に転換した事業主に対して助成し、高年齢者の雇用の推進を図ることを目的とした制度です。
- 最大160万円
- 条件:65歳超継続雇用促進コース
- 定年の定めの廃止 60歳以上被保険者数10人以上
日本は助成金・補助金大国
日本では助成金・補助金をあわせて3,000種類以上が存在しており、その内容は常に更新されます。このため、多くの企業や事業者様は「どのような助成金が利用できるのか」を正確に把握することが難しいという問題に直面しています。
助成金申請する際のプロセスは非常に複雑で、多くの企業や事業者様にとって大きな課題となっています。申請書類の準備、適格性の要件、提出期限など、細かい規定や手続きを理解し遵守する必要があるため、多くの企業が助成金の機会を逃してしまうケースがあります。
また、助成金を受け取った後、どのように活用すれば最大の効果を得られるのか分からない、受け取ったあとも継続的な資金調達戦略の構築に関する悩みを抱えている企業様や事業者様も少なくありません。
株式会社MUではパートナーである村井社会保険労務士事務所を通じて、助成金の申請や確実に助成金を獲得するためのアドバイスや職場環境の改善サポートも行っています。
村井社会保険労務士事務所
拠点のある豊橋市をメインに地域で事業を運営している方々をサポートし、より円滑なビジネスに勤しんでいただけるように、社労士として幅広いご相談を承っています。
「ハラスメントを防止するために研修を実施したいけど、ノウハウがない」「障がい者雇用に向けて十分な体制を整えたい」など、専門的なお悩みをお伺いしており、これまでにも官公庁・中小企業を中心にアドバイスを行ってまいりました。
また、より多くの方が気軽に問い合わせやすい環境を整備するためにオンライン相談も実施しているほか、顧問契約以外にもチケット制でのご相談も喜んでお引き受けしております。