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「サイトの中のアクセスがほとんどないページはは削除したほうが良いのか?」
このように考えたことのある企業のマーケティング担当者は少なくないでしょう。
この問題への基本的な回答は、「コンテンツの質次第」です。もう少し具体的にいえば、WEB上の他にない独自の内容で、誰かの役に立つ可能性があるなら、残すべきですが、低品質なコンテンツはサイト全体のSEO評価を引き下げる要因となるため、削除を含めて何らかの対処が必要です。しかし、アクセス数という目に見える数字に依存せずに、どのようにコンテンツの質を評価すればよいのか?という新たな疑問が湧いてくるかもしれません。
そこで本記事では、アクセス数という表面的な指標に惑わされることなく、Googleの原則論とSEOの実務に基づいて、低アクセスなページの具体的な対処法を解説します。
目次
ページを残すべきかの判断基準

先に述べたように、アクセスが少ないという事実だけで、すぐにページを削除する必要はありません。訪問者数や検索数の多寡は、ページの質の判断する際の主要な問題ではないからです。
たとえアクセスが月に数件程度しかないページであっても、以下のいずれかの条件を満たしていれば、そのページには残しておくべき価値があります。
独自性がある情報を提供している
WEB上の他のページでは提供されていない、自社独自のデータ、調査結果、または実務で得られた知見を提供しているページにはそれだけで価値があります。
こうした記事は、他社には真似できない、その会社独自の「経験」に基づいたコンテンツだと言えるためです。例えばGoogleは、誰も持っていない一次情報や独自の視点を高く評価する仕組みであるため、こうしたコンテンツがサイト内に蓄積されていることは結果的にサイト全体の評価を高めることにつながります。
特定の読者にとって役立つ情報を含んでいる
たとえ対象者が限られていたとしても、特定の属性や文脈がある人にとって役立つ情報をを提供しているページも残しておく価値があります。ニッチな分野で検索ボリュームが小さくても、ニッチな分、ページにたどり着いた人はお問い合わせや購入などのアクションに繋がりやすい傾向にあります。
また、「こんな特殊なニーズにも対応している」「このページのおかげで悩みが解決した」という経験を提供することができれば、企業への信頼を一気に高めることもできるでしょう。たとえアクセスが少なくても、その一回の訪問が大きな成果に繋がるかもしれないのです。
逆に、情報がありふれたものに終始していたり、業務との関連性が低いコンテンツなど、誰の役にも立つ可能性がないページは、削除を検討すべだと言えます。
実務で役立つ!アクセスが少ない原因の切り分けと対処法

このようにそのページに価値があるかは、アクセス数という表面的な指標ではなく、ブラウザが用いるサイトの評価基準や長期的に見たコンテンツの役割を踏まえて、判断すべきものです。
アクセス数に目を奪われることなく、適切に判断をしていくためには、検索トラフィックが少ない原因を正しく切り分けることが重要です。この作業がサイトのSEO評価を健全に保つことにつながります。
ステップ1:アクセスが少ない原因の切り分け
まず、アクセスが少ない原因が、コンテンツの「質」にあるのか、「検索需要」にあるのか、それとも「技術的な問題」にあるのかを見極めてみましょう。特に、次の3つのパターンに切り分けて考えることで、対処の優先順位が明確になります。
1.検索需要が原因(質は高い):コンテンツの質は確保できていますが、検索する人が元々少ない、または減っているパターンです。
ニッチなトピック:ターゲット読者が限定されており、元々検索ボリュームが小さい場合
需要の減少:オリンピックのような時事的なトピックや季節性のトピックなど、一時的または自然に検索するユーザーが減った場合
2.低品質が原因(質が低い):コンテンツ自体がユーザーの役に立っていないと判断できるパターンです。
競合と比較して内容が薄い、見込み客の関心に沿わない(専門外の日記など)、ユーザーの役に立たないと判断できる場合
3.技術的な問題が原因:コンテンツの質や検索需要とは別に、検索エンジンに正しく認識されていないパターンです。
Google Search Consoleで「インデックス未登録」やクロールエラーが確認できるなど、技術的な問題で検索エンジンに正しく認識されていない場合
1の場合、コンテンツが十分な品質を備えている限り、削除やnoindexを設定する必要はありません。むしろ、ニッチなトピックで高い質を持つコンテンツは、企業独自の専門性を証明する資産となります。古い情報でも調査目的などで有益な場合があるため、むやみにWEBから消滅させる必要はないのです。
しかし、2の場合は何らかの方法で、早急な対処が必要となるでしょう。具体的な対処法は次のステップで解説します。また、3の場合は技術的な修正が最優先となります。
ステップ2:低品質(B)と判断した場合の対処法
低品質が理由でアクセスが少ないと判断できる場合は、以下の優先順位で対処を検討します。
最善の対処法:高品質なコンテンツへ改善(リライト)
理想は、削除するよりも残しておいて品質を高めるために記事をリライトすることです。リライトの際は、単純に文章を修正するだけでなく、自社の事例、一次情報、現場のノウハウなどを盛り込み、ユーザーの役に立つような内容に改修しましょう。
このように独自の視点や経験を追加することで、コンテンツの価値は高まります。コンテンツの改善により高品質なコンテンツが増えれば、それがサイト全体の評価を底上げすることにも繋がります。
次善の対処法:noindex設定
改善は可能だが時間がかかる場合や、サイトには残したいが検索結果には表示させたくない場合に、一時的にnoindexを設定してインデックスから除外します。
設定方法は、HTMLの<head>タグ内に<meta name=”robots” content=”noindex” />と記述するだけです。
最終手段の対処法:ページの削除
改善が困難な場合(例:ツールを用いて自動生成したページ、古すぎて手の施しようがないコンテンツ、業務との関連性が極めて低いコンテンツなど)や記事を増やすためだけに掲載していたようなページは削除を検討します。
ただし、削除は最終手段であり、その前にリライトや他記事との統合を検討することが推奨されます。まずは「本当に改善できないか」を考えてみましょう。
低品質コンテンツを見つけるための実践的なチェック方法

ここまでアクセス数ではなく、質を見極める必要性をお伝えしてきましたが、とはいえ、数字は低品質コンテンツを見分けるためのヒントを与えてくれることもあります。その際には、Googleが提供する公式ツールを活用するのが実用的です。
Google Analyticsの活用
Google Analyticsでは、ページビュー数や平均ページ滞在時間を確認します。例えば、1ヶ月間でページビュー数が一桁、かつ平均ページ滞在時間が20秒以内といった状況が見られる場合、ユーザーがそのコンテンツに価値を感じていない可能性があると仮説を立てられます。そうした記事は、優先的に質を検討する対象にするべきでしょう。
Google Search Consoleの活用
Google Search Consoleでは、ページの検索順位とクリック数、インデックス状況を確認します。検索順位が50位以下でクリック数が一桁のページや、「検出 – インデックス未登録」に分類されているURLは、検索エンジンに評価されていない、あるいはインデックスする価値がないと判断されている可能性があります。
指標を鵜呑みにするのは禁物
ただし、これらの指標だけで「低品質」と判断することはできません。
例えば、ページ滞在時間が短いことは、必ずしも悪いことを意味しません。短時間でユーザーの疑問や悩みを解決できたのであれば、それはむしろ高品質なコンテンツであると言えるでしょう。
そのため、滞在時間が短期間であったことの意味を適切に評価するためには、ユーザーがコンテンツを読んだ後にGoogleに戻って別のキーワードで検索し直す「再検索行動」が起きていないかを確認することを推奨します。
また、文字数が少ない、あるいは多いことと高品質であることは直結しないことも忘れてはいけません。文字数が多いか少ないかではなく、ユーザーの悩みを「できる限り簡潔に、かつ網羅的に」解決できているかどうかが最も重要なのです。
まとめ:ユーザーにとって最高のコンテンツだけを揃える
自社のWEBサイトのうち、アクセスの低いページを削除するか否かの最終的な判断基準は、「ユーザーにとって信頼できる情報か」という視点一つに集約されます。
マーケティング担当者としては、単にアクセス数を増やすことではなく、ユーザーに信頼してもらえるコンテンツを提供することに集中し、サイト上には「できる限りの最高のコンテンツ」だけを揃えることがSEOの基礎中の基礎です。
アクセスが少ないページは、サイトの「お荷物」ではなく、「改善の余地があるコンテンツ」と捉え、リライトや統合によって価値を高めていきましょう。
株式会社MUでは、貴社サイトのコンテンツ監査を行い、低品質なページの改善(リライト)や削除戦略に関する専門的なご提案を行っています。サイトのSEO評価にお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

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