【2023年版】企業のマーケティングにSNSを利用するポイント(後編)

【2023年版】企業のマーケティングにSNSを利用するポイント(後編)

目次

  1. SNSマーケティングの目的
  2. ブランドの認知度アップ
  3. 顧客ロイヤリティの向上
  4. ユーザーサポート
  5. 商品・サービスの販売
  6. SNS別の特徴と目的別おすすめ
  7. 若年層へのリーチ
  8. 中高年層へのリーチ
  9. ブランドの認知度アップ
  10. 顧客ロイヤリティの向上
  11. ユーザーサポート
  12. 商品・サービスの販売
  13. インフルエンサーの活用
  14. 広告運用
  15. まとめ

今や企業マーケティングに欠かせない存在となったソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下:SNS)。

企業のSNSマーケティングについて解説する本特集の前編では、SNSマーケティングの市場規模をもとに、メリット・デメリットを確認いたしました。

その中でも、SNSマーケティングにおいて重要なのは、目的の明確化とそれに合ったSNS選択だと解説しました。後編の今回はその点について深掘りして解説してまいります。

SNSマーケティングの導入を検討中の企業、あるいは始めてはいるけど今ひとつ成果が上げられていないという企業のSNS担当者は、どうぞご参考としてください。

SNSマーケティングの目的

SNSマーケティングの目的

SNSマーケティングを行うには、目的の明確化がなによりも重要です。

そこで、一般にSNSマーケティングを行う目的を詳しく解説してまいります。

ブランドの認知度アップ

SNSは拡散性が高く、商品やサービスのブランディングや認知度をアップさせるには最適なツールです。

日頃から社内の雰囲気を投稿することで親しみやすさを演出したり、商品やサービスのバックボーンを発信することで信頼感を高めるなど、様々な形でブランドイメージを向上させることを目的として、現在では多くの企業がSNSを運用しています。

SNS発信を通じて、潜在顧客にブランドに興味を持ってもらい次の購買機会に自社の商品やサービスを選択肢に入れてもらうことができれば、大きなマーケティング効果が期待できるはずです。

顧客ロイヤリティの向上

顧客とのコミュニケーションツールとしても優秀なSNSは、企業と顧客との信頼関係を築き、高いエンゲージメントの構築が期待できます。

単に商品やサービスを販売するだけでなく、企業やブランドを好きになってもらうきっかけを与えることができれば、既存顧客をよりコアなファンへと昇華させることが期待できるため、顧客満足度の向上にも繋がるはずです。

さらに、SNSを通じて継続的なサポート体制や顧客とのコミュニケーションを行うことは、企業に対する顧客の長期的・継続的な信頼の獲得に繋がり、ロイヤリティ(信頼や愛着)の高い顧客の確保に直結します。

そうしたロイヤリティの高い顧客が増えれば、顧客による投稿の拡散や紹介による新たな顧客獲得など、自社だけでは生み出せない付加価値の享受にも繋がるのです。

ユーザーサポート

一度販売した商品やサービスに対するサポートは、自社WEBサイトに設置した問い合わせフォームやサポートセンターの設置など、様々な形で行うことができます。

SNSマーケティングでも、そのようなユーザーサポートを行うことが可能です。

日々更新されるアップデート情報や追加サポートの情報を投稿することも重要ですが、SNS上に投稿されるユーザーからの口コミなどを常にチェックし、必要に応じて企業として正式なコメントすることで、不満が広がってしまうことを未然に防いだり、企業の信頼感獲得に繋がります

例えば、「ある商品の使い方がわからない」という投稿を見つけたら、すぐにコメントを残して使い方を解説することができれば、顧客の不満が伝播して、悪いイメージが広まることを防げます。

また、同様の声が複数ある場合は、動画などわかりやすい形で使い方説明のコンテンツを設置するなど対応していくことで、マイナスをプラスに変えるサポートにもなり得ます。

商品・サービスの販売

SNSは、自社の商品やサービスを販売目的で運用することもできます。

特にその効果は、SNS広告と連動させることで増大させることができるのです。

常日頃から、SNSを通じて顧客との信頼感を築いておけば、新商品・新サービスのリリース時のエンゲージメントが向上することは間違いありません。

また、拡散力が高く、ターゲットも絞りやすいSNS広告は新規顧客の獲得に大きな力を発揮してくれます。

ただし、単独のSNS広告マーケティングであれば問題はありませんが、通常のSNS運用の中で突然「売り込み感」が強いセールス系投稿をしてしまうと、不快に感じるフォロワーもおり、顧客の警戒心を高めてしまう恐れもあるため、十分に注意して戦略を練ることがが必要となってきます。

SNS別の特徴と目的別おすすめ

SNS別の特徴と目的別おすすめ

SNSマーケティングの目的が明確にできれば、それに適したSNSを選ぶことができるようになります。

そこでここでは、現在日本で活用されている主要SNS6つをピックアップし、その特徴をご紹介してまいります。

上記の表は、総務省発表の資料をもとに作成した、6大SNSの利用状況と特徴の一覧です。一見してわかる通り、SNSごとに国内の利用率や中心ユーザー層、特徴が大きく異なっています。

また、株式会社ICT総研(東京都中央区)が発表した資料では、各SNS別の満足度が確認できます。

こうした点を踏まえて考えると、どのような目的で、どのようなターゲットに向けて情報発信するのかによって、どのSNSを選ぶべきかがおのずと見えてくるはずです。

ここでは、いくつかの項目に分けておすすめのSNSをご紹介します。

若年層へのリーチ

若年層に強いSNSは、なんといってもTikTokです。

ショート動画中心のTikTokは、長い動画の視聴や長文を読むことに馴染みがないスマートフォンネイティブのZ世代(1996年~2012年頃に生まれた世代)は、2020年時点で世界人口の約24%を占めています。

日本は超少子高齢化が進んでいるためこの世代の比率は少なくなっていますが、世界的に見れば「今後の消費を担う世代」として大きな注目を集めており、多くの企業がマーケティングの対象にしています。

これらの世代にアプローチする場合は、TikTokが効果的ですが、次いでInstagram、Twitter(現:X)も有効な施策です。

ショート動画と言えばTikTokのイメージが強いですが、近年はInstagramも画像より「リール」と呼ばれる短尺の動画が注目を集めています。

Z世代向けにショート動画が有効であることを考慮して戦略を立てれば、テキストベースの発信が基本でタイムラインが素早く流れていくTwitter(現:X)でも、投稿に短い動画を折りこむことでフォロワーの印象に残るマーケティングを行うことができるはずです。

中高年層へのリーチ

中高年にも利用されることの多いSNSといえば、LINE、YouTube、Facebookがあげられます。

この中で、Facebookは日本での利用率は低い水準にとどまっていますが、世界的に見ればNo.1シェアを誇っています。

実名登録を基本としている点に加えて、決裁権を持った企業の経営者なども多く登録しているのがFacebookの特徴です。

そのため、ハイクラス商品やサービスをワールドワイドに展開していきたい企業は、Facebookの運用を考えてみることをおすすめします。

また、圧倒的な利用率を誇るLINEはUX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザー体験)に優れたSNSとして評価されており、友だち登録などの簡便性やツール自体の扱いが簡単であるため、高齢者にとっても使いやすいシステムです。

さらに、利用者数と満足度の高いYouTubeは、高齢者の利用比率が高いテレビCMの代わりになる唯一のメディアとして、大きな期待が寄せられています。

ブランドの認知度アップ

ブランドの認知度アップを狙うのであれば、なによりも情報の拡散力の向上を目指すのが常道です。

その点からいえば、もっとも情報拡散性が高いSNSはTwitter(現:X)です。

Twitter(現:X)のユーザーは気に入った情報であれば、RT(リツイート)と呼ばれる情報共有の手段を用い、そのユーザーと関わりのある別のユーザーへと積極的に拡散をしてくれます。

このシステムをうまく使えば、自社だけではリーチできない層への情報拡散も可能です。

また、特に探している情報でなくとも、おすすめ機能で似たような属性のユーザーに情報を提示してくれるYouTubeやTikTokも、見込み顧客へのリーチが期待できます。

顧客ロイヤリティの向上

企業と顧客との信頼関係を構築し、顧客ロイヤリティの向上を目指すには、顧客とのより密なコミュニケーションを取ることのできるSNSを選ぶべきです。

その点でいえば、LINEがもっともおすすめできるSNSです。

企業アカウントとして公式LINEを作り、それに友だち登録をしてくれることによって、企業と顧客が直接繋がることになるため、よりコアなファン化による囲い込みも可能となります。

また、実名登録が基本のFacebookも、信頼感の確保という意味では大きな成果をあげてくれるSNSです。

ビジネスユーザーが多いということも、特にBtoBの商品やサービスを展開する企業にとっては、有効な戦略ツールとなってくれるはずです。

ユーザーサポート

基本的に既存顧客に対して行うユーザーサポートに、もっとも有効なSNSはLINEです。

商品やサービスの購入時に公式LINEに登録してもらうことで、顧客から気軽に問い合わせをしてもらうことができるようになります。

また、定期的にアップデート情報や新製品、キャンペーンの情報を提供したり、アンケート機能を使って顧客の指向性や満足度を分析することで、次の戦略立案へと繋げていくこともできます。

それ以外には、YouTubeで商品やサービスの使い方動画を投稿したり、顧客教育のためのマニュアル動画を公開したりすることは、ユーザーサポートの面では有効な戦略となってくれるはずです。

商品・サービスの販売

商品やサービスの販売を目的とするのであれば、どのSNSを利用しても、戦略次第で有効な導線が引けるはずです。

ただし、InstagramやTikTokは若年層の利用が多く「売り込み感」のある投稿には警戒心を持つ傾向があります。

そのため、これらSNSを商品・サービスの販売用マーケティングに利用する場合には、直接売り込みをかけるのではなく、一旦公式サイトに誘導するなど、ワンクッション挟んだ導線設計が求められます。

インフルエンサーの活用

近年は、インフルエンサーを活用したマーケティングは、企業のPR活動でも重要な施策の1つとなっています。

これにもっとも適したSNSは、まずはYouTubeです。次いでInstagram、TikTokがあげられます。

これらの中から、中高年層にまでリーチしたいのであればYouTube、女性向けであればInstagram、若年層へのリーチであればTikTokのように、ターゲットによって使い分けることをおすすめします。

当然、それぞれのプラットフォームごとに人気のあるインフルエンサーは数多く存在しますので、SNSの選択と同様に、誰とコラボしてマーケティングを行っていくのかも、インフルエンサーマーケティングを行う上では重要な選択です。

広告運用

広告運用の場合は、どのSNSを選んだとしても、SNSごとに異なる広告運用メソッドがあり、それぞれ一長一短はあります。

SNSマーケティングの一環として広告を運用するのであれば、やはり目的とターゲットを明確にした上でもっとも効果があると考えられるSNSを選ばなければなりません

しかし、通常のSNS投稿と比べて、広告運用はより複雑であるため、豊富な経験とSNSマーケティングの知識が必要になる場合もあります。

そのため、SNSマーケティングで広告を運用する場合は、まずは目的とターゲットを明確にした上で、必要に応じて専門の事業者に相談するなどしながら、適切なプラットフォームを選定し、運用していくことをおすすめします。

まとめ

企業がSNSマーケティングを行う上で、注目すべきポイントについて前後編に分けて解説してまいりました。

後編の今回は、SNSマーケティングを行う上でもっとも重要となる、目的設定の詳細と、その目的別のおすすめSNSをご紹介しました。

SNSマーケティングは、今や企業戦略の一環として避けては通れない施策の1つです。

今後のビジネス界においては、SNSマーケティングを制する企業が、これからの市場を制していくといっても過言ではありません。

SNSの運用にはそれ相応のリソースが必要となり、運用の際の重要な注意点もありますが、効果的に運用することができればブランドイメージの向上や顧客満足度の向上にも大きく貢献してくれます。

必要に応じて、専門業者への相談や外注も視野に入れながら、ぜひとも有効なSNSマーケティング戦略を立案してください。

筆者プロフィール

MU編集部

MU編集部

株式会社MU / 編集部
「お客様と共に前進するデジタルパートナー」をキーメッセージに掲げ日々、DX推進企業としてデジタルトランスフォーメーションを推進。
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