情報漏洩の報道が続く今、「自社は大丈夫か」を何で確かめるか|公開情報の格付けと自社サイト診断

情報漏洩の報道が続く今、「自社は大丈夫か」を何で確かめるか|公開情報の格付けと自社サイト診断
  • 朝のニュースで、名の知れた企業の不正アクセスが報じられる
  • 出社すると、上司や取引先から「うちは大丈夫なのか」と聞かれる
  • そのとき、胸を張って答えられる材料はあるだろうか

連日の報道を見て、こう感じた担当者は多いのではないでしょうか。

不安が消えない原因は、危険の大きさそのものより、確かめる手段が見えないことにあります。では、何を確かめれば「大丈夫」と言えるのでしょうか。その答えは、自社サイトの外から見える姿、取引先を含むサイトの信頼性、世界の障害や攻撃の動きという3つの入口を、平時から見ておくことです。

本記事では、この3つの入口の考え方と、MUブログの姉妹メディアであるDXportal®が新しく提供することにした「DXportal® Trust」「DXportal® Earth」について解説します。得られるのは、漠然とした不安の整理と、今日から始める最初の一歩です。

【本記事の要点】

  • 不安の正体は、危険そのものより「何を確かめればよいか分からない」ことである
  • 名の知れた企業でも不正アクセスは起きており、「うちは大丈夫」という根拠のない安心は成り立たない
  • 確認の入口は、自社サイトの外から見える姿・関連サイトの信頼性・世界の障害や攻撃の動きの3つである
  • DXportal®は、この3つを無料から確かめられるTrustとEarthを提供することにした

目次

  1. 連日の報道が生む「自社は大丈夫か」という不安の正体
  2. 「うちは大丈夫」が通用しなくなった理由
  3. 確認の入口は3つに分けると進めやすい
  4. 入口1:自社サイトの外から見える姿
  5. 入口2:取引先や関連サイトの信頼性
  6. 入口3:世界の障害や攻撃の動き
  7. DXportal®がTrustとEarthを提供することにした理由
  8. DXportal® Trustでできること:格付けと自社サイト診断
  9. 公開情報にもとづく格付け
  10. 自社サイト診断(DXカルテ)
  11. DXportal® Earthでできること:世界の危険を常に見える場所に置く
  12. 今日から始める3つの手順
  13. まとめ:知っておくことが、転ばぬ先の杖になる

連日の報道が生む「自社は大丈夫か」という不安の正体

2026年9月下旬から10月にかけて、タイムズカー、お名前.comのデスクトップクラウド、佐川急便の「お荷物問い合わせサービス」、楽天ドライブなど、名の知れた企業やサービスが、不正アクセスの発生を相次いで公表しました。各事案の詳細は各社の発表に譲りますが、ここで押さえたいのは個々の中身より、こうした報道が連日のように続いているという状況そのものです。

この状況で生まれる不安は、3つに分けられます。

1つ目は、判断する基準が社内にないことです。自社が安全かどうかを測る物差しがなければ、「大丈夫」とも「危ない」とも言えず、報道を見るたびに不安だけが積み上がります。

2つ目は、確認が専門的で、頼む先も分からないことです。専門用語が多く、診断サービスを探しても費用や期間が見えないため、相談の前で止まる担当者もいるでしょう。

3つ目は、日常業務に追われて後回しになることです。問い合わせ対応や更新作業、社内調整が優先され、確認は「落ち着いたら」になってしまいがちですが、結局は落ち着く日が来ないまま次の報道が出てしまうのです。

私たちの見解では、この不安に必要なのは網羅的な診断より、確認を始める入口です。小さくても、見える状態をつくることが先に必要なのです。

【出典・参照】

「うちは大丈夫」が通用しなくなった理由

規模の異なる二つの企業の建物にある入口を、担当者が虫眼鏡で点検している。建物の大きさだけでは守りの状態を判断できないことを示す。

日本は安全だという感覚は、サイバーの世界ではもう頼れません。本章では、その理由を2つの視点から解説します。

1つ目は、規模や知名度が守りの強さを保証しないことです。報道で名前が挙がるのは名の知れた企業が中心のため、「被害に遭うのは大手の話で、うちは関係ない」と受け取りがちです。

しかし、対策に力を入れているはずの企業でさえ、不正アクセスの発生を公表しています。逆に考えれば、セキュリティにそれなりの対策を整えていた大手でも防ぎきれない以上、中小企業などが「うちは関係ない」と考える根拠は成り立たないといってよいでしょう。

2026年10月8日には、政府が関係省庁会議を開き、全国で不正アクセスによる個人情報の漏えいが相次いでいることへの対応を協議したと報じられました。今や情報漏えいへの対策は、国全体の課題として扱われる段階に入っているのです。

2つ目は、攻撃が入りやすい入口を探してくることです。MUの見解では、攻撃側は企業の名前より、設定の抜けや古い仕組みといった「空いている入口」を先に見つけにきます。入口の有無は、企業の規模だけでは決まりません。むしろ、セキュリティの甘い中小企業のほうが、サプライチェーンの入口として狙われやすいと考えることもできるのです。

背景には、日本は安全な国だという感覚が広く根づいていることがあります。その感覚はインターネットの世界にも持ち込まれ、「うちは大丈夫だろう」という根拠のない安心につながりがちです。確かめたうえで大丈夫と判断しているのではなく、確かめていないから不安を感じずにいられる、という場合もあります。この過信は、備えをおろそかにさせます。ただ、備えは意識を向けさえすれば、誰にでも始められるものです。

地震への備えに置き換えると分かりやすいでしょう。日本では、地震は起きるものとして備えるのが当たり前になっています。サイバーの危険も同じで、起きる前提で、起きたときに早く気づける状態をつくっておく。安全神話をやめることは悲観ではなく、知っておくという前向きな備えです。

【出典・参照】

確認の入口は3つに分けると進めやすい

確認の起点から、自社サイトの外から見える状態、取引先など関連サイトの情報、世界の障害や攻撃の動きへと三方向に分かれる。

不安の中身を整理できても、次には「では、何から確かめればよいのか」という壁が立ちはだかります。セキュリティの確認は対象が広く、すべてを一度にやろうとするほど手が止まりがちですが、手が止まる最大の理由は確認する範囲に区切りがないことです。

そこで本章では、確認の範囲を3つの入口に分けます。守る対象を、自社サイトの外から見える姿、つながる相手の信頼性、自社の外で起きている異常という3つの方向から見る考え方です。

どれも専門的な設備や知識がなくても始められ、1つずつ進めれば「どこまで確認できていて、どこが未確認か」が見えてきます。入口ごとに、見るもの、見る理由、見たあとにできることを順に説明します。

入口1:自社サイトの外から見える姿

自社サイトを外から見たときの状態を確認する入口です。確認しやすく、見つかった抜けを自社で直しやすいため、最初に着手するのに向いています。見るものは、通信の暗号化(HTTPS)と証明書の状態、ブラウザに安全な設定を伝えるヘッダー、ドメインの設定、なりすましメールを防ぐメール認証の設定などです。

これらは、外部の第三者が自社サイトにアクセスしたときに最初に目にする範囲でもあります。見たあとにできるのは、期限が近い証明書の更新や、不足している設定の追加といった、手の届く範囲の改善です。

入口2:取引先や関連サイトの信頼性

自社の守りを固めても、つながる相手の状態が分からなければ不安は残ります。対象は、取引先や、メールのやり取りがある会社、情報を参照しているサイトです。見るのは、運営者が明示されているか、出典が示されているか、更新が続いているかといった、公開情報から読み取れる点です。

ここで見えるのは情報の信頼性であり、安全性の保証ではありません。この割り切りがあれば、「怪しいかもしれない」という感覚を、確認の優先順位づけに使えます。たとえば、新しく取引を始める会社のサイトを、契約の前に一度見ておく、といった使い方です。

入口3:世界の障害や攻撃の動き

自社の外で起きている障害や攻撃の動きを、平時から把握しておく入口です。自社が使うクラウドやAIサービスが止まったとき、原因が自社にあるのか外部にあるのかを素早く切り分けられるかどうかで、初動の速さが変わります。

障害や攻撃、災害の情報を、起きてから探しはじめたのでは遅いのです。平時から眺めて「いつもの状態」を知っておけば、いつもと違う動きに気づきやすくなります。見たあとにできるのは、社内への一報や取引先への連絡といった、初動の判断です。

入口見るもの分かること見たあとにできること
1:自社サイトの外から見える姿HTTPS・ヘッダー・ドメイン・メール認証自社側で先に直せる抜け証明書の更新・設定の追加
2:取引先や関連サイトの信頼性運営者の明示・出典・更新頻度つながる相手の透明性取引前の確認の優先順位づけ
3:世界の障害や攻撃の動き障害・攻撃・災害の情報自社外で起きている異常社内連絡・取引先連絡の初動判断

どの入口から始めても構いませんが、迷う場合は、改善に結びつきやすい入口1から着手します。入口2と3は、入口1の確認と並行して、日常の習慣にしていく流れが現実的です。

DXportal®がTrustとEarthを提供することにした理由

 担当者の前に、サイトの情報を調べる窓と世界の動きを見る窓が開き、不安から確認へ進む様子。

連日の報道を見て不安になる担当者に、確かめる入口を渡したい。それが、DXportal® TrustとDXportal® Earthを開発し、提供することにした出発点でした。

MUブログの姉妹メディアであるDXportal®は、DXの情報を届けてきました。その中で、名の知れた企業の被害が連日報じられる状況を、私たちは他人事と受け止められなくなりました。危険はもう隣にあります。まず知っておくことが、転ばぬ先の杖になる。この考えから、情報の信頼性を見るTrustと、世界の危険を見るEarthをつくりました。

もちろん、どちらもいたずらに不安をあおるためのサービスではありません。専門知識がなくても使える形で、確認の入口を用意すること。それがこのサービスの狙いです。

DXportal® Trustでできること:格付けと自社サイト診断

DXportal® Trustは、WEBサイトの情報の信頼性を公開情報から評価し、SSからDまでの6段階で格付けするサービスです。もう1つの柱として、自社で運営するサイトを診断する「DXカルテ」を備えています。

公開情報にもとづく格付け

格付けの材料は、運営者の明示、出典、透明性、HTTPS、更新頻度、第三者評価といった公開情報のみです。会員は格付けの根拠も見られます。運営者が公開を許可したサイトの格付けは、ログインなしでも閲覧できます。

ここで押さえたいのは、格付けが示すのは情報の信頼性であって、セキュリティの安全性や事業の優劣ではないことです。「格付けが高いから安全」と読み替えないでください。サイト側もこの点を明記しています。

自社サイト診断(DXカルテ)

DXカルテは、自社サイトを診断する機能です。DNS、メタタグ、ファイルのいずれかで所有者確認をしたうえで、同意のもとに実行します。確認できる内容は、HTTPS、ヘッダー、DNS、メール設定などです。結果は本人にのみ表示され、WEB上に公開はされません。

また、第三者のサーバーやデータベースを許可なく探索することはなく、診断の対象は所有者確認と同意のある自社のサイトに限ります。

DXportal® Earthでできること:世界の危険を常に見える場所に置く

DXportal® Earthは、AI・クラウド・サーバーの障害と復旧、攻撃の活動、セキュリティのニュースを、地球儀の上で一目で確かめられる機能です。

表示できるのは、障害や攻撃、ニュース、災害・通信、衛星、夜の明かりといった情報です。日本向けには、地震や噴火、気象の警報、携帯電話やインターネットの障害情報も見られます。世界の障害や攻撃の速報は、30秒ごとの更新です。

使い方の例として、ライブ表示を壁紙のように常時映しておく方法があります。会議室のモニターやサイネージに映す用途も想定されています。ニュースを探しにいくのではなく、目に入る場所に置いておく。それだけで、危険を知る習慣は自然に身につくはずです。

なお、会員登録をすれば、自社サイトの応答、証明書、ヘッダーの状態と診断の点数も同じ地球儀上に載ります。自社サイトが止まったときは、「いま起きていること」の欄にも流れる仕組みです。

なお、DXportal® Earthは現在、先行して公開している段階です。表示や機能は、今後も調整が入る可能性があります。

今日から始める3つの手順

明るい会議室のモニターに、世界の出来事を示す印を重ねた地球儀が表示され、担当者が日常的に眺めている。

DXportal® Trustは、Freeプランであれば無料で始められます。有料プランは価格や内容を検討中で、現時点で受け付けているのはFreeプランのみです。手間のかからない順に、3つの手順を挙げておきます。

  1. 無料会員に登録する:Freeでは、会員向けの格付けを月ごとの上限つきで閲覧できる
  2. 自社サイトのDXカルテを試す:登録から1か月は、1サイトで試せる
  3. Earthのライブ表示を常時映しておく:日々の危険を目に入る場所に置く

まずは無料登録した上で2を試し、自社サイトの外から見える姿を一度確認してみてください。結果は本人にしか表示されないため、社内で共有する前に自分で見られます。

まとめ:知っておくことが、転ばぬ先の杖になる

連日の報道で生まれる不安は、危険の大きさより、確かめる入口が見えないことから来ています。名の知れた企業でも不正アクセスが起きる今、「うちは大丈夫」という感覚に頼るのは難しくなりました。

自社サイトの外から見える姿、取引先や関連サイトの信頼性、世界の障害や攻撃の動き。この3つを平時から見ておけば、不安は「確かめられること」に変わります。DXportal®のTrustとEarthは、そのための入口です。

MUでは、自社サイトの診断結果を受けた改善や、セキュリティを意識したWEBサイト・システムの開発を支援しています。「DXportal® Trust」のFree登録から始め、自社サイトの見直しや運用でお悩みでしたら、お気軽に株式会社MUにご相談ください。

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筆者プロフィール

MU編集部

MU編集部

株式会社MU / 編集部
「お客様と共に前進するデジタルパートナー」をキーメッセージに掲げ日々、DX推進企業としてデジタルトランスフォーメーションを推進。
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