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スマートフォンが1人1台普及するようになった現在では、企業のマーケティングのあり方も姿を変えています。
中でも、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下:SNS)は、今や企業のマーケティングを語る上では、欠かせない存在となりました。
そこで、企業がSNSマーケティングを利用する際のポイントについて前後編の2回にわたって解説してまいります。
前編の今回は、SNSマーケティング市場の現状と、メリット・デメリットをご紹介します。後編ではSNSマーケティングの目的を整理し、その目的にはどのSNSが適しているかを確認するために重要な主要SNSの特徴と発信のポイントについてご紹介します。
マーケティング担当者の方は、どうぞご参考にしてください。
インターネット上で人と人との繋がりを生む「SNS」。世界初のSNS「SixDegrees.com」が1997年アメリカで誕生し、日本では「mixi」が2004年にサービスを開始し若者の間で大きな人気を集めました。
その後、若年層だけでなく高齢者層にもスマートフォンの普及が進んだことも背景に、SNSの登録者数と利用者数は年々増加しています。
今やSNSは人々の生活には欠かせないものとなりつつあります。その中で、企業がマーケティングを考えるのであれば、そんなSNSを利用しない手はありません。
株式会社ICT総研が2022年5月に発表した「2022年度SNS利用動向に関する調査」によると、2021年末時点での国内SNS利用者は8,149万人(普及率80.9%)に達しています。
増加傾向は今後も続き、2024年末には8,388万人にまで増加、ネットユーザー全体に占める利用率は83.2%に拡大する見通しです。
ソーシャルメディアは、企業と消費者を結ぶコミュニケーションインフラとして活用されるようになっており、広告媒体としても重要な役割を持つようになっています。
株式会社サイバー・バズと株式会社デジタルインファクトが発表した「2022年国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査」では、SNSマーケティングの市場規模は2023年には1兆99億円となり、前年比117%となるとの見通しが示されています。
SNSの利用者・普及率と同様に、その規模も今後ますますの拡大が予想されており、今や企業のマーケティングは、SNSを活用することを抜きにしては考えられないようになっています。
SNSマーケティングのメリットは様々にありますが、ここではもっとも重要な3つに絞ってご紹介します。
SNSマーケティング最大のメリットは、顧客との距離が縮まる点にあります。
SNSでの発信を続けることで、コメントやリプライという形で顧客の「ナマの声」を得ることができるのです。
こうしてで集めたデータは、新しい商品やサービスを開発する際の大きな材料となり、さらなる売上アップも期待できます。
また、顧客の質問に真摯に返答したり、SNSを通じて商品やサービス購入後のサポートを行ったりすることで、顧客との良好な関係を築くことができれば、企業のイメージアップにも繋がることは間違いありません。
地道な投稿を続けることで潜在顧客を新規顧客へと引き込み、さらにファン化することができれば、大きなマーケティング効果が期待できます。
そもそも、SNSはユーザーが日常の些細な出来事や想いを発信するための媒体です。
企業もこの特徴を理解した上で、新商品やサービスのリリース時、キャンペーン時だけに特化して利用するのではなく、日常的な情報発信を行うことが重要です。
リアルタイムな情報発信が行える特徴を活用すれば、開発の途中経過を顧客に届けることで、リリース前から関心を集めたり、正式リリース後のアップデートやサポート状況を発信したりと、タイムロスのない情報発信を行うことができます。
媒体ごとに違いもありますが、主流なSNSは発信者が投稿を行うだけでなく、その情報を見た別のユーザーがその情報をシェアすることが可能です。
Twitter(現:X)のRT(リツイート)などがその典型ですが、こうした形で顧客をはじめとした他の発信者が、情報を更に広げてくれるのです。
そのため、自社のアカウントをフォローしている顧客だけでなく、それ以外の層にまで情報が届きやすく、他の媒体と比べて伝えたい情報を拡散する力が桁違いです。
単に企業の投稿を広めるだけでなく、ユーザーの感想なども付け加えられていくのも特徴の1つです。
これまでは商品やサービスの購入を検討したり、店舗を探す際などはGoogleやYahoo!といった検索エンジンで調べることがほとんどでしたが、今ではSNSでの口コミを参考にしたり、ハッシュタグ(#)検索をかける人も多くなっています。
そのため、SNS上に自社商品やサービスに対するポジティブな感想が上がった時などは、それがきっかけで購入してくれる人が増えるなど、大きな効果も期待できます。
様々なメリットがあるSNSですが、企業がSNSマーケティングを行う場合には、当然ながらデメリットも把握しておく必要があります。
ここではSNS運用を行う際に押さえておきたいデメリットのうち、もっとも注意すべき3点をご紹介します。
情報の拡散力が高いということは、諸刃の剣ともなりかねません。
企業名やブランド名を冠してSNSで発信をするということは、発信内容はその企業の考え方や理念を反映していると判断されます。
SNSの担当者が何気ない気持ちで発信した投稿であっても、その内容が世間の考え方とズレていた場合などは、アンチコメントが集まってしまったり、企業へのクレームと繋がったりすることは少なくありません。
深刻な場合は、企業の信用を失うきっかけとなることも懸念されます。
いわゆる「炎上」という状態にまでなってしまうと、手が付けられないような社会現象になってしまうことも考えられるため、SNS運用に関するルールやポリシーの明確化と、担当者のリテラシー教育はあらかじめしっかりと行っておかなければなりません。
また、自社の商品やサービスに満足いかなかったユーザーがいた場合、その不満がSNSに投稿され、拡散されてしまう可能性もあります。
こうした悪い声も広まりやすいため、常にSNS上の情報チェックが必要です。
SNSマーケティングを行う際は、なによりもその目的に沿ったアプローチを取ることが重要です。
これらのうち、どの要素を一番の目的とするかによって、利用するSNSの種類も変わってきますし、発信する内容も大きく変わってくるのです。
目的がブレてしまうとSNSマーケティングの効果は大きく損なわれてしまいます。
また、目的に合わないSNSを選択してしまうと、むしろマイナスキャンペーンになってしまうことすら考えられます。
そのため、SNSマーケティングの目的を明確にすることは、もっとも大切なファーストアクションでもあるのです。
SNSマーケティングでは、まずはSNSアカウント自体のフォロワーやファンを獲得していくことが重要です。
そのためには、顧客が興味を持ちそうな情報を常に発信し続けることが求められます。
定期的かつ継続的な発信がなければ、フォローが増えないだけでなく、一旦フォローしたファンもフォロー解除してしまうこともありうるのです。
また、いつも同じような投稿ばかりでは飽きられてしまい、すぐに見てもらうことすらできなくなってしまうかもしれません。
SNS担当者には、商品やサービスのリリース、キャンペーン・イベントの開催などといった年間スケジュールをもとに、計画的な運用プランが求められます。
今や企業のマーケティングを語る上では欠かせないSNSについて、その市場規模をご紹介しつつ、改めてSNSマーケティングのメリットとデメリットについて解説しました。
スマートフォンの普及に伴い、SNSも今や我々の生活に深く入り込み、企業と顧客を結ぶ重要なコミュニケーションインフラとなっています。
若年層だけでなく、高齢者層にまで広まったSNSを企業マーケティングに活用することは、現代ではマストの企業戦略であり、SNSマーケティングなしでは効果的なプロモーションは行えないと言ってもよいほどです。
ただし、SNSマーケティングはその目的を明確にすることと、それに合わせたSNSを選択することも重要となります。
そこで、次回後編では、SNSマーケティングの目的についてさらに深掘りし、各SNSの特徴を解説しながら目的に沿ったSNS選定方法について解説していきたいと思います。
どうぞご期待ください。
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