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WEBサイトから求める成果を得るためには、それを評価する指標であるコンバージョン率(CV率)に注目することが重要です。
このCV率を最大化するためには、ABテストを繰り返すことが有効です。今回は、このABテストに関して2回にわたって解説します。
前編では、ABテストの基本概念について解説し、それがどのようにWEBサイトのCV率に影響を及ぼすかを見てきました。後編では、具体的なABテストの実施手順やその統計的解釈、成功事例の紹介から、ベストプラクティスについてより具体的に解説します。
貴社のWEBサイトが最高のパフォーマンスを発揮し、CV率が向上する道筋を探る参考にしてください。
ABテストを活用してCV率を向上させるには、ユーザーがWEBサイトにおいて重視する要素を知り、それを最適化することが重要です。
ここでは、WEBサイトのパフォーマンス改善に大きな影響を及ぼす様々な最適化すべきポイントについて解説します。
WEBサイトを構成する各パーツは、訪問者のエクスペリエンスを向上させ、彼らを具体的な行動に誘導する役割を果たします。
パーツを最適化することで、訪問者が購入者やリード(見込み顧客)になる確率を高めることができ、WEBサイトの全体的なパフォーマンスを改善し、目標とするコンバージョンを達成することができるのです。
それぞれのパーツは異なる役割を持っていますので、その役割を理解したうえで、どのような形が最適解なのかを継続的なテストで確認していくことが重要です。
ここでは、代表的なパーツについて解説します。
ヘッドライン(ヘッダーやサムネイル、アイキャッチ画像など)は、WEBサイトの最初の印象を左右し、訪問者の注意を引く重要なパーツです。
効果的なヘッドラインであるためは、サイトの目的を明確に伝え、訪問者が求める情報やサービスが提供されていることを示していなければなりません。
ヘッドラインのテストでは、異なるメッセージング、言葉の選択、スタイルなどを試したうえで、どれが最も高いエンゲージメントを生むかを調査します。
CTA(Call to Action/ユーザーに行動を促す導線)は、訪問者に何をすべきかを示す重要な要素です。
CTRはボタンやリンクであることが多いですが、まずは明瞭で視覚的に魅力的であること、そしてユーザーが求める行動を直感的に理解できなければなりません。
そのためには、CTAの色、サイズ、位置、テキスト内容などをABテストで検証し、ユーザーのクリック率やCV率を最大化する最適化を施します。
登録フォームや問い合わせフォームなどは、ユーザーから情報を収集するための重要なツールです。
しかし、複雑すぎるフォームはユーザーを困惑させ、フォームの送信を躊躇させる可能性があります。
フォームの項目数、順序、ラベル、エラーメッセージなどを最適化することで、ユーザー体験を改善し、フォームの送信率を高めます。
ユーザーは、WEBサイトの全体的な視覚的要素に強く影響を受けます。
色合い、画像の選択、フォントやレイアウトは、WEBサイトの印象を大きく左右し、訪問者の行動を誘導します。
これらの視覚的要素がユーザーの反応にどのように影響を及ぼすかを理解するために、ABテストを活用し、最適な設定を見つけ出すことが求められます。
前編では、ABテストの仕組みと具体的な手法について紹介しましたが、後編ではより具体的に、実際のABテストがどのように行われるのかを解説します。
実際に多くのWEBサイトで成果をあげているABテストの事例を挙げますので、具体的なイメージを持つための一助としてください。
最初の事例は、非常にシンプルな変更ですが、大きな成果をもたらしたケースです。
あるEコマースサイトが商品購入ページの「カートに入れる」ボタンの色を変更するABテストを行いました。
元々グレーであったボタンを鮮やかなオレンジ色に変更したところ、ボタンのクリック率が20%も向上しました。
その他の要素は変更していないため、「カートに入れるlというアクションの増加はこの視覚的な要素の小さな変更によってもたらされたことがわかります。
次の事例は、ユーザーの手間を減らすことによって成果を上げたケースです。
あるWEBサイトでは、資料請求フォームの項目数を減らすABテストを行いました。
もともとのフォームは10項目でしたが、これを5項目に減らしたところ、フォーム送信率が60%も向上しました。
この事例から、ユーザーの負担を減らすことで、アクションを起こしやすくなることが理解できます。
「より詳しい情報を得たい」という企業側の心理は理解できますが、それにより求めるCV(資料請求)が達成できていなければ本末転倒です。入力項目を絞るだけで、このように大幅な改善が見込める場合もあります。
最後の事例は、ヘッドラインメッセージの変更によってCV率を向上させたケースです。
あるランディングページ(LP)では、ページトップに表示されるキャッチコピーを変更するABテストを行いました。
具体的には、特定のサービスのメリットを訴求するメッセージから、「ユーザーの問題を解決する」というメッセージへと変更したのですが、結果的にページ全体のCV率が30%も向上しました。
この事例から、ユーザーに対するメッセージの鮮明さと共感性が、コンバージョンに大きな影響を与えることがわかります。
いくら魅力的な商品やサービスを展開していても、そもそもページにアクセスしてもらえなければ、その情報を広げていくことはできません。どのようなメッセージの打ちだし方が、自社のターゲット層の関心を引くことができるのかは極めて重要なポイントです。
本特集の最後に、ABテストのベストプラクティスと注意点を紹介します。
ABテストを効果的に行うためには、一連のプロセスと手法を適切に適用しなければなりません。
ここで紹介するベストプラクティスは、貴社のテストを成功に導くための鍵となるものです。そのため、前編と重なる点もありますが、目標の設定から仮説の立案、テストの実施までのすべてのステップを網羅的に取り上げます。
ABテストを行う前には、何を達成したいのかという明確な目標を設定します。
CV率の改善、平均セッション時間の増加、離脱率の低下などが考えられますが、改善したいポイントを明確にするだけでなく、具体的な数値目標を設定することが重要です。
具体的なABテストの設計を考える前に、データに基づいた仮説を立てることも重要です。
これには、ユーザーレビュー、ヒートマップ、セッション録画などのユーザーの行動データを使用することが有効です。
例えば、「アクセス数が少ないものの、訪問者が商品を購入する割合は高く、リピーターも多い」という場合は、ヘッドラインの最適化が課題になっている可能性が考えられます。
一方、「サイト訪問者は多く、また滞在時間も長いにもかかわらず、商品の購入ページで離脱する割合が高い」という場合は、購入を完了するまでのCTAが課題なのかもしれません。
こうした仮説をもとに、色やメッセージの内容、ボタンの配置などを1つずつ検証していくことが成功までの近道です。
ABテストでは、半数のユーザーが現状維持(コントロールグループ)の体験をし、残りのユーザーは新しい(テストグループ)体験をするように設定しなければなりません。
これらのグループ分けはランダムに行われ、かつテストしたい箇所以外は完全に同じ条件下でテストを受けられるように設定しなければなりません。
例えば、テストグループの方で使用している画像データの容量が重く、ページの読み込み速度がコントロールグループより著しく遅いというような事態が発生してしまっては、ユーザーの反応を適切に分析することができなくなってしまいます。
テストで得られた結果が有益なものであることを確認するためには、統計的に有意な差があることを示す必要があります。
これは、テストサイズ(テストに参加するユーザーの数)とテスト期間によって決まります。
参加ユーザーが少なすぎると、たまたまテストに参加したユーザーの好みを集計しただけになってしまい、ターゲット層全体の傾向を分析することはできません。また、テスト期間が短すぎると、曜日や時間帯等によるユーザーの偏りが反映されてしまうため同様に有意な結果が得られないのです。
ABテストは非常に有効な手法ですが、適切に行わなければ逆効果になる可能性もはらんでいます。
過度な最適化、テストの期間や規模の誤判断、結果の誤解釈という3つの注意すべきポイントとよくあるトラップについて説明し、それらを避けるための方法を提供します。
過度な最適化とは、短期間のテスト結果だけに沿って、すぐに最適化を行う行為を指します。
「最適化」というと効果的な施策のように感じますが、長期的な視点で見ると「最適な結果」をもたらさない可能性も否めません。
例えば、WEBサイトのランディングページ(LP)のCV率を向上させるために、大きなディスカウントや特別オファーを実施したとします。
これにより、短期的には訪問者の関心を引き、CV率を向上させるかもしれませんが、長期的には、このような戦略がブランド価値を損ない、中長期的なCV率の低下につながる可能性があるのです。
また、あまりにも頻繁にテストを行い、WEBサイトのデザインやコンテンツを変更すると、ユーザーが混乱してしまい、ユーザー体験の悪化につながる可能性があります。
これらの問題を避けるためには、ABテストの結果をもとに改善策を講じる際には、常に長期的な視点を持つことが重要です。ユーザー体験とブランド価値を中心に据え、その上でCV率の向上を図るべきです。
すでに述べた通り、テストの期間や規模が十分でないと、統計的に有意な結果を得ることができません。
これを防止するためには、テストの期間は、統計的有意性を得るためには一定期間を設けることが重要です。
ABテストに最低限必要な期間は、テストの目的、サイトのトラフィック、期待される効果の大きさなどにより変わりますが、一般的には、テストの信頼性を確保するために、少なくとも1週間から2週間の期間を設けることが推奨されます。
これは、週間のサイクル(週末と平日の違いなど)をカバーするためです。
必要なテスト規模も同様にサイトごとに大きく異なりますが、より精度の高い結果を得るためには、1つのテストサイクルで最低でも100〜200のコンバージョンを得ることが目安とされます。
ただし、これらはあくまで一般的なガイドラインであり、個々の事例によって最適なテスト期間や規模は変わる可能性があります。
これらの基準を参考にしつつ、貴社のWEBサイトのトラフィックとCV率を考慮に入れ、テスト期間と規模を設定することが重要です。
ABテストの結果が統計的に有意であるかを確認するためには、統計的有意性を計算するツール(WebsitePlanet「ABテスト判定ツール」など)を使用すると良いでしょう。
どれだけ正確なテスト結果が得られたとしても、そのデータの意味を正確に解釈することができなければ、正しい改善策は行えません。
ABテストの結果を解釈する際には、全体の結果だけでなく、異なるユーザーグループ間での結果の違いを考慮することが重要です。これを「データのセグメンテーション」と呼びます。
例えば、新規の訪問者と既存のユーザー、または異なるデモグラフィック属性(性別・年齢・居住地域など顧客データを分析する際の指標となる人口統計学的な属性)を持つユーザーグループ間で結果が異なる場合があります。
これらの違いを踏まえて分析しなければ、テストの結果をより深く理解し、より具体的な洞察を得ることはできません。
また、結果の解釈をより正確に行うためには、複数のメトリクス(測定基準、尺度など)を使用することも重要です。
例えば、ある変更がアクセス数を向上させたとしても、同時にユーザーの滞在時間を減少させた場合、その変更が全体的にポジティブな影響を与えたとは必ずしも言えません。
そのため、ABテストを行う際は、1つのメトリクスだけでなく、複数のメトリクスを考慮に入れて全体的なパフォーマンスを評価することが必要です。
さらに、結果の解釈はコンテクスト(背景、状況、文脈など)に依存します。
例えば、ホリデーシーズンなどの特定の時期や新製品の発売時など特定の状況においては、ユーザーの行動が通常と異なる可能性があります。
そのため、結果を解釈する際には、そのような外部の要因を考慮に入れたうえで、入念に検討することが重要なのです。
前後編にわたり、ABテストによってWEBサイトのCV率を向上させる手法について、詳細に解説してまいりました。
2つのパターンを試すことで、CV率向上のための改善策を容易に見つけることができるABテストですが、効果的に活用するのは簡単ではありません。
2回にわたって解説したように、その解釈には統計学の知識などが必要であり、場当たり的にテストを行っても通用しないのです。
また、ABテストは一度きりのものではなく、継続的な改善と最適化が求められます。
常にユーザーの反応を観察し、テストを繰り返すことで、より良いWEBサイトを作り上げていくことは、一朝一夕には行えません。
貴社のWEBサイトを最適化して、最大限CV率を向上させるためには、やはり専門家の力を必要とする場合も少なくありません。
もしも、貴社が今以上に自社サイトのCV率を最大化したいと考えた場合は、株式会社MUにお気軽にお問い合わせください。
弊社にご関心をお持ちいただき、
ありがとうございます。
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