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インターネット上から、自社のブログやWEBサイトなどにユーザーを集めようと思った場合、SEOが重要な役割を担っています。
しかし、近年「SEOは終わる」などと言われることがあるように、「SEO不要論」が囁かれているのも事実です。
サイトへの集客を考えるのであれば、SEOに対応した小手先のテクニックよりも、良質なコンテンツが重要なのは間違いありませんが、だからといってSEOは本当に不要なのか。
これは、インターネット上で情報を発信する全ての人にとって非常に重要な問題です。
そこで本記事では、SEOの役割を今一度考えながら、「優良なコンテンツ」の本質について考えてまいります。
自社商品やサービスへの集客や、コンテンツマーケティングを考える企業様は、どうぞご参考としてください。
目次
SEOの役割を今一度考える
SEO(エスイーオー)とは、「Search Engine Optimization(サーチエンジンオプティマイゼーション)」の略称で、日本語で言えば「検索エンジン最適化」のことを指しています。
自社のブログやWEBサイトが、検索エンジン上で露出する回数を増やすための様々な施策を総称して「SEO対策」と呼びます。
この場合の「検索エンジン」とは主にGoogleのことを指し、Googleに評価されて検索画面の上位に表示されれば、それだけ自社サイトを訪れるユーザーが増えることが期待できるのです。
上記の表とグラフは、seoClarityが2021年11月に公開した「CTR調査研究」のデータを編集部でまとめたものですが、一見してお分かりのように、検索順位によってサイトクリック率は大きく変化します。
そのため、「WEBサイトの運営にはSEO対策が欠かせない」というのがこれまでのデジタルマーケティングでは常識だったわけです。
しかし、近年になって様々な理由からこの考え方には少々疑問符がつけられるようになってきました。
そこで浮上したのが「SEO不要論」ですが、次は、その本質はどこにあるのかを考えてまいります。
SEO不要論が出る理由
企業が商品やサービスを販売しようと考えた場合、まずはその商品やサービスが紹介されている販売ページやWEBサイトへ、ユーザーを誘導しなければなりません。
検索順位が高いとサイトクリック率も高くなるというデータをもとに考えた場合、SEOで1位を獲得することは重要です。
一方、SEOで1位を獲得することでページを開く確率(CV率)の向上には繋がっても、それが商品やサービスの購入へ繋がることとイコールだと言えないことは、マーケティングに携わるビジネスパーソンにとっては当たり前の話です。
上位表示に必要なSEO対策
そもそもSEOで上位表示させるためには、キーワードの選定や取り扱いが重要です。
多く検索されるキーワードに、ユーザーの需要があるのは間違いありません。
しかし、適切なキーワードの使用だけですべてが解決するわけではなく、WEBサイト全体の表示スピードや、UI(ユーザーインターフェイス:ユーザーと機器の接点)、UX(ユーザーエクスペリエンス:顧客体験)にも目を向けないと、売上向上には繋がりません。
これらの点についての認識も今では定着し、最近ではキーワードの選定と同様に重要視されています。
本来SEOとは「顧客体験の向上」を目指すものであり、そこにはサイトとしての利便性やデザイン性なども大きな要素として関わってきます。
- ユーザーの需要を掘り起こすキーワードを選択する
- サイトマップが整理されている
- 問い合わせなどのUIが分かりやすい
これらはSEOでWEBサイトを上位表示させるためには、確かに重要な施策です。
しかし、SEOはキーワードが適切に使われているといったテクニック論よりも、「『読者にとってわかりやすい情報が書かれている』ということこそ重要なのだ」と、Googleがはっきりと提示しているのも事実です。
つまり、SEOとはコンテンツそのものも含む概念であり、今はむしろ小手先のテクニックを駆使するよりも、重要なのは「優良なコンテンツ」だというように、考え方そのものが変化してきています。
かつてはキーワード選定や共起語・関連後の記載、ページの読み込み速度対策などをすることで、SEOの順位を上げることはできました。
しかし、特に近年はGoogleの啓蒙活動の影響もあって、「SEOに必要なのは小手先のテクニックよりも優良なコンテンツである」という概念が広がり、テクニック論からコンテンツ至上主義へとマーケターの意識が変化したことが、「SEOは必要ない」と言われる原因となっているのです。
つまり、「SEO不要論」の本質は「SEOが必要なくなった」というわけではなく、SEO対策にはテクニックよりも優良なコンテンツありきという考え方が、曲解して伝わっただけであり、現在でもSEOが必要であること自体は変わっていません。
SEOにおいて真に重要なのは優良なコンテンツである
SEOで上位表示することは企業ドメインを使っても年々難しくなっており、特にビックキーワードで並み居る強豪サイトを差し置いて上位表示させることは、小手先のテクニックだけでは対応できなくなっています。
このこともSEOは必要ないと言われる原因の1つであり、その本質は「SEOが必要ない」のではなく、「SEO対策で集客するのは現実的ではない」ということなのです。
そのため、サイト運営者が真に考えるべきなのはSEO対策のための小手先のテクニックではなく、なによりも「ユーザーにとって有益な情報」つまりは「優良なコンテンツ」をいかに提供するかだと言えます。
それを突き詰めていけば、その結果としてGoogleに評価されることもあるはずです。
では、Googleが考える優良なコンテンツとはなんなのか。次章ではその本質を考えていきます。
Googleが考える優良なコンテンツ
GoogleがなにをSEOの評価基準としているのか。それは実際のところGoogleにしかわかりません。
また、その基準は日々アップデートされており、アルゴリズムの変化はそれまで上位表示されていた記事を、あっという間に下位に沈めてしまうこともあるのです。
特に近年ではプラットフォームが多様化していることもあり、その評価基準も複雑化しています。
その中でGoogleが考える優良なコンテンツの条件としては、次のようなものが考えられます。
- ユーザーの需要に応えていること
- オリジナリティがあること
- マルチメディア対応ができること
以下、詳しく解説します。
ユーザーの需要に応えていること
SEOでキーワードが重要とされているのは、キーワードが読者(ユーザー)の悩みや疑問を解決する手がかりとなるからです。
そのため、適切なキーワードを選んでWEBサイトを作ることが、ユーザーの検索需要を満たす結果になるのです。
これは、ブログなどのキーワードを中心としたWEBサイトだけでなく、例えばECサイトなどでも同様です。
- ユーザーが求める内容に的確な答えを返し、ストレスなく求める結果へたどり着けること
- そのための十分な情報量が掲載されていること
それらがあってはじめてユーザーの需要に応えることができます。
Googleにおいては、単に良く検索されるキーワードを含んでいるだけではなく、実際にユーザーの需要に応えることのできるWEBサイトが、有料なコンテンツと判断されるのです。
オリジナリティがあること
これまでGoogleでは、検索品質評価ガイドラインの中で優良なコンテンツに求められるのはE-A-Tだと説明してきました。
ところが最近では、今後は「E」を1つ加えたE-E-E-Aが重要だと説明しています。
- E-A-T(イーエ-ティー):
「Expertise(専門性)」
「Authoritativeness(権威性)」
「Trustworthiness(信頼性)」
の頭文語 - E-E-A-T(ダブルイーエ-ティー):
「Experience(経験)」
「Expertise(専門性)」
「Authoritativeness(権威性)」
「Trustworthiness(信頼性)」
の頭文語
このように最近のGoogleは、SEOの評価基準としては「経験」を含めるようになってきました。
世界中のWEB上には、星の数ほどのサイトが登録されており、その中から適切に情報を手に入れるのは、人間の検索能力だけでは不可能です。
代わりにGoogleのクローラーが機械的な巡回を行っているわけですが、その検索精度も年々向上しています。
そのため国や公共機関、あるいは専門機関などの権威性を持ったサイトが優遇されていたわけですが、今回の評価ガイドラインで「経験」が追加されたことにより、より一次情報の重要性を重視するようになったのです。
これは、「他のどこにでもある情報」ではなく、発信者の体験や経験にもとづく「他の誰でもないその人だけのオリジナル情報」が求められる様になったということです。
コンテンツに唯一無二の付加価値を持たせるということは、商品やサービスを開発する際に考えるべきと同様で、企業の集客を考える上でなによりも重要な基準だと言えます。
マルチメディア対応ができること
世界中でまん延する新型コロナウイルスの影響も含め、近年は急速にユーザーの消費行動は多様化しています。
また、ユーザーが求めるものが、これまでは商品やサービスのスペックやメリットという「モノ」そのものにあったのに対して、その商品やサービスの裏側にあるストーリーや、それを手にしたときに得られる体験を含む様々なベネフィットなど「コト」に移っています。
それに伴い、企業が届けなけばならない情報量は年々増加の一途をたどり、情報を伝えるプラットフォームも多様化しているのです。
また、移り気なユーザーの行動はWEBサイトだけに向いているわけではなく、スマートフォンのアプリや街中のサイネージ広告まで、様々な場所、様々な方法で情報に触れてもらうことが求められています。
そしてその変化はまさに日進月歩で、移り気なユーザーの意識を的確に捉えていかなければ、現代のデジタルを用いた集客は行うことはできません。
多様化・複雑化し、常に変化し続けるユーザーの行動に対応していくためには、現代のコンテンツはマルチメディアに対応できない限り、優良なコンテンツとは判断されないのです。
まとめ~SEOが不要なのではなく、SEOが変化している
近頃囁かれる「SEO不要論」をもとに、SEOの本質について解説してまいりました。
結論としては、SEOが必要なくなったというわけではなく、SEOの評価基準が変化してきており、その対策も変化してきているということに他なりません
SEOの本質は「ユーザーを満足させること」であり、そのために必要なものは、なにをさておいても「優良なコンテンツ」なのです。
そのこと自体は今も昔も変わらず、広告会社であるGoogleが、ユーザーの需要を満たすコンテンツを求めていることを考えても、優良なコンテンツの重要性は、今後もますます高くなっていくのは間違いありません。
貴社の商品やサービスを販売するための集客を考えるのであれば、SEOで上位表示するために小手先のテクニックを駆使することに惑わされることなく、真に重要なコンテンツの優良性を今一度考えて、販売戦略の礎(いしずえ)としてください。
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