マーケティング戦略上のWEBデザイン｜ユーザビリティ向上へのアプローチとは

WEBデザインとは、それ単体で成立するものではなく、その根底にはマーケティング戦略があります。

マーケティング戦略は、企業がビジネス目標を達成するために行うプロモーションやセールス戦略、商品戦略などを組み合わせた計画のことを指します。WEBサイトやアプリが企業や商品・サービスをアピールするためのツールである以上、WEBデザインとマーケティング戦略は、切っても切り離せない関係なのです。

WEBサイトがユーザーにとって魅力的なデザインであり、目的に沿ったデザインであれば、それは企業のイメージアップにも繋がります。

また、WEBサイトの訪問者数を増やし、コンバージョン率を高めるためにも、マーケティング戦略を考慮したWEBデザインが求められるのです。

しかし、全てのWEBデザインがこのポイントを理解して進められているわけではありません。むしろ、大きな勘違いにもとづいて進められているケースもしばしば見受けられます。

そこで本記事では、マーケティング戦略にもとづいてユーザビリティを向上させるWEBデザインについて、ありがちな勘違いを紹介しつつ、改善ポイントを解説します。

貴社ブランドのマーケティング戦略を効率的に進めるためにも、ぜひ最後までご一読ください。

WEBデザインにおけるマーケティング戦略の勘違い

WEBデザインにおいては、マーケティング戦略を踏まえたデザインとすることは非常に重要です。

マーケティング戦略を無視したWEBデザインは、ユーザーを無視したデザインとなってしまう可能性がありますし、逆に過剰に意識しすぎても、失敗の原因となってしまいます。

マーケティング戦略を無視したWEBデザイン

マーケティング戦略を無視したWEBデザインを行うことは、独りよがりの一方的な情報の押し付けとなり、ユーザーを無視したデザインとなってしまうことも少なくありません。

デザイン性だけに重点を置いて、イメージ先行になってしまったWEBサイトは、ユーザーが一番欲しい情報にたどり着くまでに時間がかかってしまうことがあります。

デザインは美しいものの、商品情報や営業時間などがわかりにくい飲食店のWEBサイトや、購入画面になかなかたどりつけないECサイトなどはその典型です。

ユーザー行動を予測してサイトデザインを行うということは、まさにマーケティング戦略そのものです。

これを無視してデザイン性ばかりが先行したWEBサイトでは、訪問者が欲しい情報を見つけるのに苦労したり、閲覧を断念してしまうことがあるのです。

マーケティング戦略を過剰に意識しすぎたWEBデザイン

一方で、マーケティング戦略を過剰に意識してしまうことも、失敗の原因になることがあります。

例えば、あるサイトが自社商品の販促に重点を置きすぎ、訪問者にとってストレスになるようなデザインになっているケースを見かけます。

このような事例は、販促に必要な情報が訪問者にとって重要であることはわかっているものの、それを過剰に意識しすぎてしまった結果、訪問者にとっては使いづらくなってしまった結果です。

必要な情報を適切にユーザーに伝えることは重要なマーケティング戦略ですが、その思いばかりが先走り、過度な情報を伝えすぎてしまうことは、かえってユーザーの混乱を招きかねないのです。

いずれのケースでも、「ユーザーにとって必要なことは何なのか？」ということを考えることが、「マーケティング戦略上でWEBデザインを考える」という基本を忘れてしまった結果だと言えます。

マーケティング戦略に基づいたWEBデザインのアプローチ

WEBデザインにおいて、マーケティング戦略に基づいたアプローチをとることは非常に重要です。

そこで、本章ではマーケティング戦略に基づいたWEBデザインのアプローチを3ステップで解説します。

1.コンセプトの決定

マーケティング戦略に基づいたWEBデザインを行うには、コンセプトの決定が必要です。

コンセプトとは、WEBサイトのコンセプトやイメージ、伝えたいメッセージなどを明確にすることを意味しており、それは全てマーケティング戦略に基づいて決定されなければなりません。

例えば、商品やサービスの魅力を最大限に伝えるために、ブランディングやデザイン性を強調したWEBサイトを目指す場合もあれば、ユーザビリティを重視したシンプルなデザインを採用する場合もあります。

このように、コンセプトはマーケティング戦略にもとづき、明確に決定されなければなりません。

2.ターゲットユーザーのニーズを把握

次に、コンセプトにもとづいたデザインを決定して、クライアントに対して提案を行います。

ただし、ターゲットユーザーのニーズを把握しなければ、そのニーズに合ったデザインを提案することはできません。

例えば、若年層をターゲットにしている場合、ユーザビリティやデザイン性にこだわったWEBサイトが好まれる傾向にありますが、年配のユーザーをターゲットにしている場合、シンプルで分かりやすいデザインが求められることがあります。

このように、ターゲットユーザーのニーズを把握し、それに合ったデザインを提案することで、ユーザーからの評価を高めることができるのです。

3.コンテンツ設計

最後に、マーケティング施策に合わせたコンテンツ設計を行います。

マーケティング施策に合わせたコンテンツ設計とは、例えばランディングページ（LP）の場合、キャッチコピーやボタンのデザイン、コンテンツの配置などをマーケティング戦略に基づいて設計することを指しています。

特定の商品を販売する場合、その商品の魅力を最大限に伝えるキャッチコピーを用意したり、商品の写真を大きく表示させたりという表示して目立たせたりするなど、ユーザーが商品に興味を持ち、購入に至るまでのプロセスをスムーズに進めるための工夫が必要です。

マーケティング施策に合わせたコンテンツ設計を行うことで、ユーザーのニーズに応え、ウェブサイトのコンバージョン率を高めることができます。

WEBデザインの基本はユーザビリティの向上

こうした3ステップをアプローチとして、マーケティング戦略上のWEBデザインを決定していくわけですが、その基本にあるのはユーザビリティの向上です。

マーケティング戦略上WEBデザインを決定するための全ての工夫は、あくまでユーザビリティを損なわない範囲で行わなければなりません。

ユーザーにとってわかりにくいデザインや、無理な誘導を行うといったことは避け、ストレスフリーなウェブサイトを提供することが求められるのです。

そこで次章では、ユーザビリティとマーケティング戦略の両立について解説します。

ユーザビリティとマーケティング戦略の両立

ユーザビリティとは、ウェブサイトやアプリなどの使用者がスムーズかつ簡単に操作できることを指しています。

ユーザビリティが高ければ、ユーザーはサイト内で必要な情報を見つけやすくなり、サイトの利用に対するストレスを感じずに済むため、ユーザビリティが高いサイトはユーザーの満足度が高くなり、サイトの利用頻度が上がるというメリットがあるのです。

マーケティング戦略上もユーザビリティは非常に重要で、ユーザーがサイト内で目的の情報を見つけやすいように設計されたサイトは、ユーザーの行動を誘導しやすく、コンバージョン（CV）率が上がります。

一方、ユーザビリティの低いサイトは、ユーザーが求める情報が見つからずに離脱してしまう可能性があり、マーケティング効果が低下してしまうのです。

ユーザビリティとマーケティング戦略両立のポイント

ユーザビリティとマーケティング戦略を両立させるためには、次のようなポイントを考慮する必要があります。

• 情報の階層構造の設計：ユーザーが求める情報を見つけやすくするために、情報を階層的に整理し、それに応じたナビゲーションを設計する必要があります。また、ナビゲーションには適切な言葉を使い、直感的に理解できるようにすることも重要です。
• ユーザー意図の理解：ユーザーがサイトを訪れる目的やニーズを正確に把握し、それに合った情報を提供します。そのためには、ユーザーがサイト内でどのような行動を取るかを想定することが求められます。
• ストレスフリーなデザイン：デザインには、見た目の美しさだけでなく、ユーザーがサイトを利用する上でストレスを感じないような配慮が必要です。文字のフォントやサイズ、色彩の組み合わせ、レイアウトの構成などは、ユーザーにとって見やすく、読みやすいものでなければなりません。また、ページの読み込み速度が速く、スムーズな動きをすることも重要です。これらの要素がユーザーにストレスを与えないことで、WEBサイトの利用体験が向上しマーケティングに繋がります。

ナビゲーション設計におけるマーケティング施策の活用

WEBサイトのナビゲーション設計において、マーケティング施策を活用することで、ユーザーのCV率を向上させることができます。

例えば、ナビゲーションバーにおいて、商品カテゴリーやサービスの特徴など、ユーザーが求める情報をわかりやすく表示すれば、訪問者が最短距離で情報にアクセスできるため、当然のようにCV率が向上します。

目的のページに素早くアクセスできるように、クリック数を減らすためのドロップダウンメニュー設置や、特定の商品やサービスをアピールするために、目立つ位置にバナーやアイコンを配置することは、全て有効なナビゲーション設計なのです。

ただし、マーケティング施策の過剰な利用はユーザーのストレスを引き起こすことがあるため、適度なバランスを保つことが求められます。

まとめ

マーケティング戦略上のWEBデザインについて、ユーザビリティの向上を踏まえて解説しました。

真にクライアントを納得させるWEBデザインとは、マーケティング戦略をないがしろにしても、また、意識しすぎても成立しません。

そのバランスを両立させるには、何よりも「ユーザビリティ」の向上をベースとすることが重要です。

どうすればサイトの訪問者が満足し、CVへと繋がるユーザー行動を取ってくれるのか。これを考え抜くことは、WEBマーケターとWEBデザイナーに共通する永遠の課題です。

本記事なども参考として、どうぞ貴社WEBサイトの効果的な運用を考えてみてください。