【WEBデザイン】デザイナーとアーティスト|わかりそうでわからない違いとは?

【WEBデザイン】デザイナーとアーティスト|わかりそうでわからない違いとは?

目次

  1. アーティストとデザイナーの違いはクライアントの有無
  2. WEB業界におけるデザイン関連の職種
  3. WEBデザイナー
  4. アートディレクター
  5. UI/UXデザイナー
  6. イラストレーター
  7. フォトグラファー
  8. コーダー(マークアップエンジニア)
  9. まとめ

WEBサイトを制作するには、企画設計やプログラミングといった作業が必要ですが、その他にもサイトを「デザインする」ことも大切です。

しかし、「デザインする」と言っても、その作業範囲は工程ごとに多岐に分かれます。その違いを理解することは、デザインを依頼する際にとても重要なポイントです。

デザイナーとアーティストという2つの職業は、いわゆる「視覚表現を演出する」という点では同じですが、実はこの違いを理解していなければ、求めるサイトが手にはいらない場合もあります。

そこで今回は、まず「デザイナー」と「アーティスト」の違いについて説明した上で、WEB業界におけるデザイナーの役割について解説します。

アーティストとデザイナーの違いはクライアントの有無

アーティストとデザイナーの違いはクライアントの有無

アーティストもデザイナーも、何かを作り出すということにおいては、どちらも同じ「クリエイター」の部類に入ります。

ただし、「アーティスト(Artist)」は、直訳すると「芸術家、美術家、画家」などとなるように、どちらかというと「自ら作品を創り出す人」といった意味合いの方が強くなります。

つまり、クライアントからの仕事を受けて何かを作るというよりも、自らの思想や世界観を表現した「作品」を創り出し、それを世に出して人々や社会に影響を与える仕事がアーティストなのです。

それに対して、デザイナーとはクライアントやディレクターなどに与えられた課題を解決するために「制作物」を生み出す仕事だと定義できます。

世の中に存在する全ての商品は、グラフィックデザインやプロダクトデザイン、あるいはパッケージデザインといった、様々なジャンルに細分化されたデザイナーたちの手によって生み出されます。

アーティストは「作品」の判断基準が自分軸であるのに対し、デザイナーの制作物はあくまで他人軸でなければなりません。

デザイナーはクライアントなどの要望に合わせた制作物を作る能力が求められますし、時にはプロジェクトにかかわる複数の人材が提出する意見をまとめ、それを形にまとめ上げる能力も必要です。

アーティストは人々や社会に認められなくても、内なる思いを表現することが原動力であり、世間的な評価が得られなくとも、本人やある人にとっては特別な価値がある作品を生み出すという場合もあります。

しかし、デザイナーはクライアントに認められ、期待される成果を挙げられなければ、その仕事には価値がないと判断されます。そういった意味で、デザイナーの仕事はあくまでも「お金」に変えられるものでなくてはなりません。

つまり、クライアントなど他者は関係なく自己表現を行うのがアーティストであり、クライアントありきで求められる制作物を納品するのがデザイナーと言えます。

デザイナーの中で、WEBにかかわるデザインを行うのがWEBデザイナーをはじめとする職種です。

WEB業界におけるデザイン関連の職種

WEB業界におけるデザイン関連の職種

WEBにかかわるデザインを行う職種と言っても、「WEBデザイナー」だけでなく、様々に細分化された職種が存在します。

ここでは、WEB業界におけるデザインにまつわる職種の中から、代表的なものをピックアップしてご紹介します。

WEBデザイナー

WEBデザイナー

WEB業界におけるデザイン関連の職種といえば、真っ先に思い浮かぶのが「WEBデザイナー」でしょう。

WEBサイトのクオリティを確保するために、全体的な見た目にかかわる「デザイン」を担当するのがWEBデザイナーの仕事です。

サイト全体のビジュアル面のデザインによって、ユーザーの滞在率や満足度が大きく変わりますので、その役割は重要です。

多くの場合「フォトショップ」や「イラストレーター」など、デザイン専用のPCソフトを使用して、ディレクターやプランナーが考えたサイト設計をもとに、実際にWEBサイトの形にまとめ上げていくのがWEBデザイナーの仕事となります。

優秀なWEBデザイナーとして活躍するためには、プログラミングやコーディングのスキルが求められる場合もあります。

アートディレクター

アートディレクター

クライアントの要望にもとづき、クオリティの高いWEBサイトを制作するためには、様々な意見を取りまとめて、各ポジションの人材に指示を出すディレクターの役割が欠かせません。

そのうち、ビジュアル面の取りまとめを行うのがアートディレクターです。

クライアントの要望をデザインで具現化する役割であり、ビジュアル面の方向性を示すことが求められるポジションです。

多くの場合はアートディレクター自身が自分で手を動かしてデザインをするわけではなく、あくまでもディレクションに特化した役割を担います。

クライアントや各ポジションの意見を取りまとめてデザインの方向性を示すためには、コミュニケーション力や調整力など、デザインそのものよりも、ビジネススキルの方が強く求められます

一方で、最低限のデザインに関する知識とスキルを持っていなければ、調整役を担うことはできないため、一定以上のデザイン知識とビジネススキルの両方が必要になります。

UI/UXデザイナー

UI/UXデザイナー

WEBサイトにおいて、購入ボタンや問い合わせボタンが適切な場所に配置されているか。あるいは、CVまでの工数に無駄はないのか。

こうしたWEBサイトの使いやすさや導線設計をデザインするのが、UIデザイナーやUXデザイナーの仕事です。

UI(ユーザーインターフェイス:ユーザーとインターフェイスとの接点)やUX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザー体験)に優れたサイトを作らなければ、CV率は上がりません。

仮にどれだけビジュアル的に優れたWEBサイトであったとしても、ユーザーがアクション(購入や登録など)を起こそうと思った時に、そのためのボタンやリンクがわかりやすく設置されていない場合、その気持ちは萎えてしまいます。

また、最初のCVポイントから実際のCVに至るまでの導線が悪く、何ページもクリックしなければいけないとしたら、ユーザーは購入や登録を途中で諦めてしまうかもしれません。

こうした事態を避けるには、UI/UXに配慮したサイトを作成する必要があり、それをデザインし形にするのが、UI/UXデザイナーの仕事なのです。

イラストレーター

イラストレーター

イラストレーターとは、その名の通りビジュアルの中でも、イラスト画像を作ることに特化した職種です。

この場合のイラストとは、その製品やサービスのイメージを表すイラストだけでなく、購入までの工程やサービスの仕組みをわかりやすく図解した画像などが含まれる場合もあります。

紙媒体に掲載するイラストであれば、紙に手で描いたイラストでも問題ありませんが、WEBサイトで使用する際には、画像データとして保存されていなければなりません。

そのため、紙に描いたイラストであれば、それをPCに取り込んでデータ化する。あるいは、イラスト制作用ソフトやツールを用いて、PC上で直接イラストを描くという作業が求められます。

どのようなツールを使ってイラストを作成するにしても、WEB業界で活躍するイラストレーターであれば、最低限のPCスキルを持っている必要があるのです。

フォトグラファー

フォトグラファー

言葉の意味を直訳すれば、「写真家」ですが、WEB業界におけるフォトグラファーといえば、単に写真を撮るだけではありません。それをWEBサイト上できれいに見せるためのレタッチや画像補正のスキルも求められます。

企業のWEBサイトなどでは経営陣や従業員の写真を取ることも多く、この際には美しく見栄えの良い写真を撮れるスキルだけでなく、撮影に慣れていない人を相手に、求める表情を引き出すコミュニケーション能力なども必要になります。

なお、フォトグラファーが撮影する写真には、写真自体が芸術作品である「アート写真」と、クライアントやディレクターの要望に沿って撮影された「商業写真」がありますが、WEB業界におけるフォトグラファーに求められているのは、後者であることは言うまでもありません。

コーダー(マークアップエンジニア)

イラストレーターやフォトグラファーが作った制作物やテキストを、WEBデザイナーが考えたデザインに沿ってWEB上に作り上げていくためには、「HTML」や「CSS」あるいは「Javascript」といったWEB特有の言語(マークアップコード)を使用したコーディングという作業が必要となります。

このコーディングを行うのがコーダー、もしくはマークアップエンジニアと呼ばれる職種です。

画像やテキスト、ボタンなど各種素材をデザイン通りページ内に配列していくには、WordPressなどのCMS(コンテンツマネジメントシステム)を利用することも可能ですが、近年のWEBサイトでは、高精細な画像や動画などが使用されることも増えており、CMSを利用するとサイトが「重くなってしまう」という課題が起こっています。

こうした課題を避けるために、画像をできるかぎり使用せず、マークアップでデザイン表現をすることも増えていますので、現在のWEB制作現場では、コーダーがもつ役割は重要度を増しているのです。

また、WEBデザイナーの意図を組んで、テキストの改行やレイアウト、さらには装飾などを行うのもコーダーの役割となります。より使いやすく、効果のあるWEBサイトを作る重要性が高まっている中において、今後ますますコーダーの重要度は増していくと考えられます。

まとめ

本記事では、まずアーティストとデザイナーの本質的な違いについてご説明した上で、WEB業界におけるWEBデザインにかかわる様々な職種の概要について解説してまいりました。

一般の企業が、これらの職種の違いを全て詳細に理解しておかなければならないというわけではありません。

しかし、WEBサイトとはこれだけ多くのスキルを持った人材が、いくつもの工程を経て制作されるものだということをご理解いただければ幸いです。

また、全てのWEB制作会社がこれらの職種を抱えているとは限りませんので、その点には注意が必要です。制作会社によって、できることとできないことがあるのもご理解いただいた上で、適切な業者選びをしていただければと存じます。

筆者プロフィール

MU編集部

MU編集部

株式会社MU / 編集部
「お客様と共に前進するデジタルパートナー」をキーメッセージに掲げ日々、DX推進企業としてデジタルトランスフォーメーションを推進。
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